※※第200話:Make Love(&Tease).117








 「やっぱ真依さんの作るカレーが一番美味いね、しかもカレー粉から作ってるなんて俺びっくりしちゃったよ。」
 満腹となって大満足の屡薇は、豆を抱っこしてソファへと座った。
 後片付けは貴重なイチャつきの時間でもあるため、手分けして済ませました。

 同じく満腹となった豆は、屡薇の膝のうえでウトウトし始める。




 ゴクリ…

 と息を呑んだ真依は、いつぞやのナナのアドバイスを脳内でおさらいすると、勇気を振り絞った。

 「屡薇くん!」
 「なに?」


 彼がキョトンとして視線を向けてきた隙に、真依は目の前で服を脱ぎ始めた。
 チューしたり、脱いだり……屡薇は豆を抱っこしていることもあり上に乗っかったりするわけにもいかないので後者が選ばれたようである。





 いきなり服を脱ぎ始めた彼女の姿に、目をぱちくりさせた屡薇はさりげなく豆のお目目を片手で覆う。
 豆はすでに眠っておりましたが。

 「今度はもうちょっと深く……咬んでいいよ?」
 脱ぎながらも彼からは目を逸らし、真依がもじもじと口にすると、

 「いや、真依さん……俺いまお腹いっぱいだから……」
 「はぁぁあ!?」

 屡薇は申し訳なさげに、告げてきた。
 ハーフである彼は愛する彼女お手製のカレーライスでお腹がいっぱいなのである。
 憤慨した真依はすぐさま彼を見る。



 「もうっ、あたしは咬んでほしいのに!」
 そして真依は勢いに任せてトップスを床へと叩きつけ、上半身はブラジャーのみの姿となった。

 「わお…」
 屡薇は目が皿になるくらいに、積極的に脱いだ彼女を見つめてくる。
 花子大好きの賜物か、豆はこの妖しくなりつつあるムードのなかでもばっちり熟睡中。




 (…………あっ!)
 勢いに任せて脱いでしまった真依だが、今現在の自分の格好に気づくとすぐに穴があったら入りたい衝動に駆られることとなった。

 「やだ、あたしったら……」
 慌てて、トップスを拾い上げようとする。
 けれど突発的にこんな大胆なことができるくらいに、彼に咬まれたかったのは事実だ。


 豆をそっとソファのうえに寝かせた屡薇は、床に落ちた服へ伸びそうになった彼女の手を掴んだ。
 真依は視線を上げることが、できなくなる。


 「今度はちゃんと、お腹空かせとく……ごめんね?」
 息を熱くさせてしまっている屡薇は、もう我慢がならないように言葉にした。

 「てか、煽ったんだから責任取ってよ……」

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