※※第199話:Make Love(&Sex aid).15
お嬢さん方からマダムまでや、時に男性客にも一緒に写真とかを求められたりしたが、薔は全てお断りした。
今日初めて、自分の中に眠っていたMっ気を目覚めさせることができた者も多数おりました。
渋めのなかなかイケメン店長さんは、途中から薔への呼び方が名字に“くん”ではなく名前に“さま”となった。
羚亜は終始、夜深くんであったために、何だか腑に落ちないものを感じながらも醐留権のためにしっかりアルバイトに励みました。
ふたりがアルバイトをしているカフェは、ドリンクもフードも味はどれも上等だった。
ナナは、はちみつアップルティーとはもっと甘いものだと思っていたのだけど、甘酸っぱい感じで味は大人びていた。
でもあまりの美味しさに(見てて美味しいから)、おかわりまでしちゃいました。
ナナ父とナナ母はこのあと百貨店に寄るため食事を済ませれば店を後にし、ハリーと葛篭先生もお茶を済ませると店を後にした。
そしてナナとこけしちゃんと愛羅は、あまり入り浸ると店にも迷惑がかかると思いながらも夕方まで居座ると、薔と羚亜のアルバイトが終わるまで近くのカラオケ店で時間をつぶすことにした。
カフェに入り浸っていたために、カラオケを楽しむのは一時間である。
「さんにんでまたぁ、もろびとこぞりて歌おうぅ?」
「えっ!?いいの!?」
「あたし合いの手入れる〜!」
初っぱなから選曲はナナの十八番で、乙女たちは盛り上がる。
合いの手専門の愛羅は、こけしちゃんと一緒のマイクを使わせてもらうことにした。
「そう言えば5月は悠香ちゃんの〜、醐留権先生の誕生日があるぜ〜!イェーイ!」
曲が予約される前から、愛羅はいったん手にしたマイク片手にノリノリである。
「そうだよ!こけしちゃん!お誕生日の歌も何か歌わないと!」
「エヘヘぇぇ。」
ナナもマイク越しにこけしちゃんへと提案し、もろびとこぞりてを探しながらこけしちゃんはニコニコと照れる。
ゾーラ先生が不在の今ここで、歌われてもな……
「できればぁ、愛の歌はぁぁ、薔くぅんからゾーラ先生ぇにぃぃぃ…」
「えええ!?」
こけしちゃんの腐的な願望におったまげたナナの声で、一瞬ハウリングこそ起こりましたが、
「ほらぁ、ナナちゃぁん、もろびとこぞりてだよぉぉ?」
「あっ、うん!」
乙女たちはこぞって(一人は合いの手だよ)、もろびとこぞりてを歌い始めた。
「“も〜ろびと〜、こぞ〜り〜て〜”」
「今宵はパーリナイ!」
……もろびとこぞりてで合いの手って、やはり難易度高い。
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