※※第231話:Make Love(&Wedding).137







 「は……」
 彼女の艶めいた肌へと幾度となくキスをして、不意に薔も息を零した。
 乱れゆくのを、抑え込むようなあたたかな吐息を。

 「……っっんっ、んう…っ、」
 ナナはそれにも感じてしまって、思わず洗面台へと両手を突く。

 「さっきからずっと……じれったそうにここ動かしてんな?」
 彼はゆっくりと、ストッキングを穿いた脚を決して伝線ができないような力加減で撫でて、ワンピースドレスをたくし上げてゆく。
 「ん…っ!?んん…っ、」
 ナナは口を塞がれたまま、小さく首を横に振る。
 鏡の中の妖しい彼の視線へと、潤んだ視線を合わせて、気持ちよさと期待に本心では首を横に振る理由なんて何もなくなってしまっていたのだけど。


 「…――――ほんとにダメ?」
 辿り着いた秘部を、ストッキングのうえからさすって、薔は鏡の中の彼女へと問いかけた。

 「……っっ、」
 ナナはもう、イけてしまいそうなくらいに感じてしまって、堪らない。
 やさしくていやらしい声は耳もとで響いているのに、鏡の中で視線が交わることで彼に何もかもを見透かされている気分になる。

 「なぁ、ナナ……ダメなのか?」
 もう一度吹き掛けて、確かめると、

 …ッ…ヌグ――――…

 薔は直接、下着のなかへと片手を滑り込ませてきた。




 「ん…っんっ、んうう…っん、」
 ナナはビクビクッと、躰をふるわす。
 「その反応は全然、ダメじゃねえみてぇだな…」
 くすっと笑って、薔はゆびを動かし始める。
 クリトリスを撫で上げられ、蕩けそうな蜜は彼のゆびへと絡まりラビアを広がった。

 「つうか……すげえ濡れてる、かわいい…」
 囁きは浸透して甘い猛毒性を持ち、さらなる愛液を誘い出す。
 耳を滑り落ちたくちびるが、肩へとそっと吸いつく。

 大きな鏡にはちゃんと、映し出されている。


 ヌチュッ、グチュッ…グチュッ…

 「んんん…っ、ん…っ、」
 妖艶な明るさとなっているトイレの中に、彼のゆびとナナの蜜が一緒になって奏でる淫音が響いていた。

 「音もどんどん、えっちになってく…」
 薔は親指ではクリトリスを撫でながら、滑らせた残りのゆびで膣口を拡げた。
 彼が弄るから、甘い愛液は止められない。
 だから音は彼の好きなように、えっちにされてしまう。

 クチクチッ…クプッッ――…

 「っっ…っっっ、」
 襞がなぞられ、拡げられた中へとゆびがスムーズに入り込んできた。

 「一本なら難なくいけたな…」
 ゆびを抜き差ししだし、薔は彼女の耳たぶを甘噛みする。
 (あ…っあっ、ダメ…っ、イっちゃう…っ、)
 ナナは我慢も限界だった。
 まるで計算されたうえでの秘め事のように、誰もまだ入っては来ない。

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