※※第231話:Make Love(&Wedding).137








 ナナは何がなんでも必要がないという観点からお許しが出ず、ブーケプルズの形が取られていたが参加は事前にお断りしてあった。
 見事にブーケを手にすることができた葛篭の友人は、よほど婚活に励んででもいるのか周りが若干引くほどのはしゃぎようだった。


 結婚式から披露宴へと移る間には、記念撮影もして、その頃には披露宴へ参加するゲストが集まり始めていた。
 醐留権先生は見目麗しいからか同僚として結婚式にも列席したが、校長先生とかは披露宴にのみ招待されたようだ。





 結婚式には個性も必要!と言いますことで、夕月にもらった資料を参考に、披露宴会場のペーパーアイテムはメインカップルが一生懸命に手作りに励んだりした。
 入場の際などに用いるBGMは、ほとんどが葛篭先生のチョイスとなっていた。

 ナナと薔は余興の時間に、じつは新郎新婦のキューピッド役を努めたカップルであることを紹介してもらえることになっており、

 「なっ、なんか、緊張してきちゃいました……」
 「何度も練習したろ?心配いらねぇよ。」

 お祝いのメッセージも早急に編集して、余興の準備は完璧となっていたがナナはとたんに緊張し始めた。
 それでも、薔にあたまを撫でてもらえると、緊張も不思議と和らいでしまう。





 司会者による新郎新婦の紹介の後には、主賓スピーチとなり、葛篭先生のほうでは語尾の時間が心配ではあるが細宮校長がすることになっていた。
 そして、葛篭の親族にまで名だたる整体師として通っているハリーは、まだウィーキャンの講座(やはりごめん)で資格を取ろうとしている最中のこともありさて困ったとなったわけなのだが、そういう代行サービスも今は充実しているので葛篭側の親族にバレないようにと特に恩師でも何でもない人がハリーの恩師としてのスピーチをしてくれることになった。
 葛篭の両親は(ここでこそお師匠さまに頼めばいいのに……)とは思ったが、お師匠さまは彼女と余興をするので主賓スピーチまではしてくれませんでした。
 当たり前です、そもそもお師匠さまも非公認ですから。




 ハリーの恩師でも何でもない代行の人は、さすがスピーチの代行とあって見事なまでのそのうちそうなるといいなと思われる内容をマイクを通して述べてくれた。
 その後の細宮校長のスピーチは、やはり語尾に時間を取られるためにけっこうな時間がかかった。
 ここでもどうせなら醐留権先生に、代行とかしてもらえば良かったのに(若いがおそらく職場の先輩の風格はある)。


 そして、乾杯やケーキ入刀となったわけだが、ここらへんは詳しくは割愛させていただくとして、新郎新婦はお色直しの時間となり、披露宴後半までは歓談タイムと相成った。

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