※※第230話:Make Love(&Nasty).136








 寝室にふたりして入るとまず、薄暗がりのなかで抱き寄せられ、キスをされた。

 「……っんっ、ん…っ、」
 やわらかく触れあうくちびるが吐息で熱を助長して解し、開かれた口内へと舌を滑り込まされる。
 薄暗いからこそ余計にか、彼の匂いや体温をひしと感じていた。

 「もっと舌伸ばせよ……」
 舌を吸って放されたくちびるを、囁きが愛撫する。
 「ん…っ、は…っ、」
 ナナは言われた通りに、気持ちよさにふるえる舌を伸ばし、掬い上げるように絡め取られた。

 「んん…っ、」
 感じて躰もふるえてしまう、頬をゆびの背が滑り落ちてくちびるを弾かれる。

 そしてキスは深まりながら、ナナはますます強く抱き寄せられて共にベッドを目指した。
 響くリップ音は甘く聴覚を撫でて、腰が砕けそうになった瞬間をすかさず抱き上げられ、気づいた頃にはもうベッドのうえに乗せられていた。






 ギシッ――――…

 薔は彼女のうえとなり、ベッドサイドの薄明かりを灯す。
 妖艶な明かりに照らされ浮かび上がった互いの姿に、誘発されることは必至だった。
 乱れた吐息が、艶めいたくちびるから零れ落ちてゆく。


 「……えっちな顔してる、キスだけで感じたのか?」
 服のうえから躰を撫でて、問いかけた耳もとにも彼はキスをした。

 「ん…っ、感じちゃっ…っ、たっ……です…っ、」
 ナナはまた聴覚を刺激してくるリップ音にも心奪われながら、素直に小さく頷き甘えた声を上げた。
 「可愛いな、ここもすげえ硬くなってる……」
 薔はさすっていた胸の、衣服がまだ隠している乳首をゆびさきで擦ってくる。
 しかも両手で、両方の乳首を。

 「あ…っあっ、それ…っ、」
 まだ何も脱いではいない状態で擦られても、ナナはひどく感じてしまった。
 同時にじれったくもあるため、パンツはどんどん愛液を染み込ませてゆく。

 「腰が勝手に動いてんぞ?」
 彼女が無意識のうちに、濡れた秘部を何とかしようと腰を悩ましく動かしてしまっていることを、薔は思い知らせてきた。
 そのあいだにも、硬く起った乳首はブラの裏地と擦れあうように動かされる。

 「……っっんっ、ダメ…っ、あ…っ、」
 ナナは彼の言う通りで勝手にビクンビクンと動いてしまう腰を、自分の意志では止めることもできないまま、

 「あっっ!」

 達してしまった。
 掴んだ彼の枕はあまりにもいい匂いで、それにもやられてくらくらしてしまっていた。

[ 498/535 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る