※※第226話:Make Love(&Privily).133
結局は一気に500点越えのシールを手に入れることができたわけなのだが、パン食に励んでからの昼休みのこと。
「あっ、わたしそういえば、化学の課題をまだ提出してなかったです!」
ナナはふと気づいて、慌ててノートを取り出した。
「あぁ、俺が昨日手伝ってやったやつか。」
「ほんとうに助かりましたよ!薔がわかりやすく説明をしてくださらないと、ヨコシマ先生の説明はものすごくわかりにくいので!」
薔はあくまでも彼女の理解についてを手伝ったようで、無事に課題を終わらせることができたナナは心からの感謝を改めて述べた。
もしも横科先生が聞いていたら、さらに頭のほうが薄くなったかもしれない。
「今から提出しに行くなら、一緒に行ってやるぞ?」
「わあ、ありがとうございます!」
化学準備室へ課題の提出に行こうとしている彼女の付き添いを、薔は自ら提案した。
ナナはひたすら喜んでいるが、周りは何となく妖しいムード(要するにR指定)を感じ取っている。
「その前にこのシールも、貼っちゃいましょう!」
彼と一緒に行けることが嬉しくて、浮かれながらナナは食べ終えたフジザキパンのシールを急く気持ちと共にシートへと貼り付けた。
彼女が仕上げた課題のノートはすでに薔が手にしており、彼は余裕の表情で彼女を待っているように見えて、実のところは心中は穏やかではいられていない。
「これで大丈夫です!」
と、5点ぶんを貼り付けたナナは元気よく立ち上がり、
「フジザキパンさんは美味しいですね!薔はどんなネコちゃんをフジザキパンさんで飼ってらっしゃるんですか?」
「野良猫だな。」
「ほほう、そうなんですかぁ!」
ふたりはイチャイチャしながら化学準備室へと向かって行った。
(野良猫って……飼われてない……)
ナナはすぐに納得していたが、野良猫とは本来飼い主を持たない猫のことなので、周りはふたりのやりとりには笑いを堪えていた。
しかしながら、ちゃんとお昼休み中に帰ってくるのかについては、ドキドキしてしまった。
「うんぅ、数学準備室に呼び出されて無理矢理ぃぃって設定がぁ、今まさに思いついたぁぁ。」
「隊長、相変わらず常に冴えてますね……」
腐に於いてはまさしくその通りのこけしちゃんはニコニコと新しい設定が思いついたようで、感心する隊員たちも何人かがフジザキパンを頬張っていた。
果たして点数はいったい、どこまで増えるのだろうか?
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