※※第225話:Make Love(&Eagle wings).132








 「いいえ!わたしより断然、薔のほうがえっちです!」
 ナナはそこだけは断固として譲らないと言った様子で、きっぱりと返した。
 「何度も言わせんなよ、おまえのが遥かにえっちだ。」
 「薔ですってば!」
 薔もそこは譲らない様子で、堂々と言い返した。

 どうやら、やきもちを妬いているのはどっちのほうが可愛いのかという考察から、どっちのほうがよりえっちなのかについての言い合いへと発展したようだ。
 ここらへんで、気を利かせたわんこたちは熟睡のためにもお部屋へと仲良く向かって行った。



 「いつも無自覚に俺を誘惑してくんのは、おまえのほうだろ?」
 「わたしは薔がえっち過ぎるせいで、すごくえっちになっちゃったんですけど!」
 白熱しているんだかただイチャついているんだか、どちらがえっちかについては互いに一歩も譲る気配がありません。


 真っ赤になって返された彼女の言い分があまりにも可愛らしかったので、薔は思わずムラッときちゃったようで、

 「なら、勝負でもしてみるか?」

 どこか妖しく笑って、提案してきた。

 「えええ…っ!?」
 どういった勝負内容なのかがよくわからず、ナナは一驚する。
 どちらがよりえっちなのかについて勝負をすると言ったら、勝負内容は否応なしにエッチなものになりそうだ。



 「見せることで誘惑し合って、先におねだりしたほうが負けな?」
 簡単に勝負内容についてを説明した薔は、早くも誘惑モードに突入しているのかちょっと首を傾げて微笑んだ。
 「おおお…!なるほど、わかりました…!」
 いちおう敬礼をして見せたナナだが、ドキドキはこの時点でかなりの高潮となっている。

 昨夜はひたすら寸止めされまくった後にイキまくったナナが、どこまで堪えて見せるのか見物でもある。



 「触れて誘惑すんのは、反則だぞ?」
 「かしこまりましたぁ…っ!」
 誘惑をゲーム感覚でするのもたまにはとっても面白そうだが、ここは是非とも無自覚を武器にナナに堪えきるところまで堪えてもらいたいものだ。
 なかなか見られないものがどれだけ長く見られるかは、すべてヒロインにかかかっていると言っても過言ではないので。



 「どうした?おまえはもっと脚広げて見せたほうがいいんじゃねぇのか?」
 しかしながら、初っぱなから言葉での誘導という手段を薔はさらりと用いてきて、

 「あ…っ、そう…ですね…っ、……はい…っ、」

 ふたりしてソファに座って向かいあった状態で、ナナは片脚を床へと投げ出し股を開いて見せた。


 くすっと笑った彼は触れるという反則を決してしているわけではないのだが、容赦なくいやらしい言葉を投げ掛けてきた。

 「へえ…おまえはもう濡らしてたんだな、」

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