※※第225話:Make Love(&Eagle wings).132
牙を立てられることを所望していた真依の耳たぶは、
はむはむっ…
咬まれることなく、甘噛みされる。
「や…っ、屡薇くんっ……くすぐったいよ…っ、」
びくんとふるえた真依は、抑えきれず甘やかな声を上げてしまった。
「甘噛みされんのも、好き?」
屡薇は一度耳にキスをしてから、首筋を甘く噛み始めた。
「真依さんの声……すっげえ可愛い、」
咬まれたい願望は常にあったが、甘噛みとなればそれはそれで真依は感じてしまう。
「んっ…あっ、やだっ……てば…っ、」
やだと言いつつも躰は火照りを帯びて、もっと彼にいろんな場所を甘噛みされたくなった。
これっぽっちも痛くはない力加減でやってくれるのが、くすぐったくもあり気持ちがいい。
「反応は全然嫌がってねぇじゃん、」
屡薇は笑いながら、彼女のトップスの中へと片手を滑り込ませて、柔肌を撫で、
「真依さんのも、脱がせていい?」
裾に手を掛け、問いかけた。
「やだけどっ……いいよ……」
真依は不本意を装いながらも、本音も共に返す。
「素直じゃねぇんだから、」
くちびるにやさしくキスをすると、躰の反応としてはまったく嫌そうではない彼女のトップスを屡薇は脱がした。
床にふたりぶんの服が、無造作に舞い散る。
上半身はブラジャーだけの姿とされてしまった真依は、極力不本意そうに肌を手で隠しながらもじもじしており、
「よし、俺決めた、」
彼女の様子に触発されまくった屡薇は、元気よく提案したのだった。
「今日はお仕置きにしよう!」
「はぁぁぁぁあああ!?」
お仕置きされる理由がわからず、真依は真っ赤になって憤慨する。
勢いで肌を隠していた手は離してしまったが、致し方ない。
「なんで!?どうして!?」
理由がわからない真依は、とりあえず後ずさる。
「う〜ん、結果的にはヤキモチ妬いてくれて嬉しかったけど、ガチホモに食いつきすぎたからかな?」
理由はけっこう何でも良かったのだが、屡薇は適当な理由が思いついたために提言しつつ彼女へとにじり寄った。
後ずさる真依の後方にはずっしりとしたソファが待ち受けており、後ずされる距離には限界がある。
「だって食いついちゃったんだもん、仕方ないじゃん!」
「仕方ねぇにしても、お仕置きはさせてよ。」
「やだ!こっち来ないでよ!」
真依は必死で言い訳を探すが、迫られているうちに鼓動は速まりすぎて結局は押し退ける以外に方法はなくなった。
屡薇はあからさまに楽しんでいる様子で、無性に腹も立ってくるがドキドキは止まらない。
背中はソファに当たり、もう後ずさりできなくなった彼女を抱きしめると、
「咬みつきながらエッチなことしてあげる……」
なめらかな首筋へと、屡薇はそっと牙を立てた。
要するにお仕置きとは、吸血行為と共にエッチをしちゃうことのようです。
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