※※第225話:Make Love(&Eagle wings).132
「はいーっ!?」
意外すぎる返しに、ナナはザザえもんのぬいぐるみを思わず放ってしまった。
宙を軽やかに飛んだザザえもんは、ちょうどナナが座っていた辺りがキャッチをする。
「なぜにそうなったんですかーっ!?」
「おまえがあまりにも健気で可愛すぎるからだ。」
「えええええええ!?」
どうやら、瞳を潤ませている彼女が可愛すぎて、薔の機嫌は回復したようです。
「でしたら何も殴らずに、いきましょう!」
「まあ、それもそうだな。」
と言うことで、ザザえもんが巻き起こしたヤキモチ劇はいったん終息した。
彼女がソファへと戻ってきたために、薔は放られてあったザザえもんのぬいぐるみを手に取りきちんと座れるようにしてあげた。
「こいつばっか増えてく気がすんだが、おまえが好きなら仕方ねぇか……」
そして彼は改めてまじまじと、ザザえもんのぬいぐるみを眺めて、でこぼこのあたまをよしよししてみた。
(……はうあ!)
ナナは堪らずにイラッとしてしまった、なぜならくどいようですがザザえもんは女の子だからである。
「薔が優しくしちゃダメです!」
「あ?」
ヤキモチを妬いたナナは、彼からザザえもんのぬいぐるみを取り上げると、
「言っておきますが、ザザえもんは女の子ですからね!?」
むぎゅうっとぬいぐるみを抱きしめていた。
「おい、抱きしめんなよ。」
「いいじゃないですか、女の子なんですから!」
もはやひたすらイチャイチャしているようにしか思えなくなってまいりました。
ナナはザザえもんが女の子であることを力説するが、これを逆に薔が男の子を……それはこけしちゃんの分野なので今は置いておこう。
「おまえまさか、やきもち妬いてんのか?」
「妬いてますよ、女の子なんですもん!」
薔はどこか嬉しそうになり、ナナは素直に声を張り上げた。
すると、
「ならおあいこだな。」
「あああっ!」
ひょいっと奪い取られたザザえもんのぬいぐるみは、薔がピノ太くんのぬいぐるみにきちんと抱っこさせてきた。
すっぽりとピノ太くんの腕のなかに、ザザえもんは収まっていた。
「おまえのやきもちは可愛いな?」
ソファへと戻ってきた薔は、嬉しそうに笑いながら彼女のあたまをぽんぽんした。
「薔だって……可愛いですけど。」
ドキドキしながらナナは、もじもじと返す。
「俺のはみっともねえだろ、相手はあのでこぼこだしな。しかもああ見えて女なんだろ?」
「そんなことはないですよ!ザザえもんは確かに女の子ですけど、薔のやきもちは可愛いです!」
彼女の返しに、彼は少し自嘲気味に笑うと、
「わかってても……ダメなんだよな、おまえの頭ん中は、俺でいっぱいじゃねぇと……」
どこか照れくさそうに俯いた。
ナナは無性に、彼のあたまをなでなでしたい衝動に駆られていた。
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