※※第224話:Make Love(&Internal).131
「どこまで濡らせば気が済むんだ?」
彼女自身もシーツも彼のボトムスまでも、ぐっしょりとなって、大胆不敵に微笑んだ薔は濡れたくちびるに這わせた親指を妖しく舐めた。
そして彼は、露にしてゆく。
「は…っはあっ、あ…っんっ、」
ぐったりと息を上げるナナは、聴覚に触れたベルトが外される音に昂りすぎてまた可愛く潮吹きをしてしまう。
「まだ一度もイってねぇからな……挿れたとたんにおまえならイっちまいそうだな?」
至上の期待にどうかしそうな彼女の、入り口へと当てがうと、
ズプッッ…
薔は一気に奥まで、突き挿れるようなことはしなかった。
「つうわけで、まずは浅くを擦ってやる……」
「や…っ、やん…っあっ、あっ…ああっ、」
奥を目一杯突いて欲しいナナは一番に欲しいモノがもらえたのに、だからこそとてつもなくじれったくて、泣きながら中を先端で擦られた。
「躰はちっとも嫌がってねぇぞ、浅くでも感じてる…」
薔はいきなり少しだけ深く挿れたりもしてくるから、ナナはぞくぞくしてしまった。
「じれってえのは、俺だって同じだ…」
留めて擦りながら彼女の頬を両手で挟み、薔は涙をゆびで拭うと同時に何度もプレッシャーキスを落とした。
時折、零れる吐息が放したくちびるのあいだ混ざりあう。
「っっんんんあ…っ、」
いきなり、痙攣したかのように躰を反らしたナナの躰には、浅くを突かれているというのに深くまで突かれているようなえもいわれぬ快感が突き抜けて、
「あああっ――――――…っ!」
絶頂を得ていた。
ピストンに合わせて潮が飛び散り、頭の中はくらくらして本気で真っ白になる。
「……っ、おまえ今、思い切り吸い寄せたな?言葉にはならねぇおねだりか?」
ぎゅうっと先端を締めつけられて、躰をふるわせた薔はふるえつづけている彼女を抱きしめると、
「わかったよ……奥までくれてやる、」
捩じ込むように最奥へと突き上げた。
グチュッッ――――…!
「あっっ!」
ナナはまたすぐに、絶頂を得る。
躰で魅せたおねだりが、ようやく聞き入れられた。
このまま彼に奥深くを突かれて、我慢していたぶん何度でもイけそうだった。
「よくずっと我慢してたな、偉いぞ?ナナ…」
薔は激しく奥へ奥へと攻め立てながら、耳にキスをしてやさしくあたまを撫でてもくれた。
パンパンッ、パチュッ――…
「こっからは何度でもイっていいぞ……」
あたまを撫でる手つきとは対照的に、彼は過激な腰づかいで幾度となく彼女の中を突き上げる。
「あんっ…あっあっああっあ、ひっあ…っあっはっ、」
ナナは無我夢中で、彼へとしがみつき、
「あああんっっ!」
戦慄き、絶頂を得た。
「……っ、あ…っ、」
巻き起こった収縮に堪えて、薔は動きを速める。
「あああああっ…あっ、あうっ…あっっ、」
ナナのゆびは彼の男らしい背中へと食い込んで、ふたりのぶつかりあう激しさにベッドは絶え間なく軋んだ。
「ん…っは、ん…っ、あ…っ、」
いっぱい奥まで突かれながら、時に舌を絡めたキスも交わす。
ナナは中でもきつく、彼へとしがみついた。
「あああっっ!」
やがて彼女がまた、絶頂を得るのとほぼ同時に、
「……っ!」
薔も勢いよく、射精をしたのだった。
ドプッ…!ドクンッ――…!
「はっあ…っ、あああん…っ、」
ナナは恍惚として、子宮目掛けて注ぎ込まれる精液を味わう。
最奥に出されるほど、病みつきになる熱を体内から感じ取る。
「ナナ…」
ほとんど意識が飛びかけている彼女を抱きしめて、耳もとにキスをして囁いた薔は、再び動きを激しくしていった。
「愛してるよ……」
「ん…っあっ、あん…っ、」
何度も突かれるナナの中からは、攪拌された体液が溢れだしてくる。
薔は腰を振りながら、何度も耳もとへキスをして誘惑のリップ音を響かせ、ナナは何もかもを奪われ彼自身に溺れていった。
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