※※第223話:Make Love(&Sex aid).21
「か、かしこまりました……ご主人様…」
ナナは零れそうになる嬌声を必死で堪え、設定上では主の命令に従おうとする一心で何とか躰のふるえも隠しながら、
「ネクタイは、わたくし……結んだことが、ございませんでして……」
ソファを立った彼からネクタイを受け取ってはみたものの、正直に申し出てみた。
彼の首もと辺りに持っていきつつも、オロオロするばかりだ。
「ここでスムーズに結べたほうが…俺にとっては大問題だ。」
くすっと薔は笑うと、ナナが初めて男性のネクタイを結ぶ場面に直面していることには安堵を覚えたようで、
「教えてやるから、ちゃんと覚えるんだぞ?」
彼女の両手に、両手を重ねてきた。
ナナはそれだけで甘い声を上げそうになった。
声は何とか抑えることができたけれど、突然触れられた躰はビクンッといやらしい反応を示してしまった。
彼はわざとこうやって、不意討ちで意地悪を仕掛けてくるのだろう。
「声は我慢できたが、腰の震えは無理だったな?」
いったん片手を放した薔は、リモコンでローターの振動を一段階上げる。
(あ…っあっ、ダメ…っ、我慢……しなきゃ…っ、)
ナナは何度も心で自分へと言い聞かせ、腰を跳ねさせてしまわないよう堪えた。
けれど、収まりきらないほどの愛液が、すでに内股を湿らせてしまっている。
「まずは簡単なやつを教えてやる。」
追い追いネクタイの結び方については彼女に教えていくつもりのような言い方で、再び薔は両手を重ね、一緒に動かしながらネクタイを結んでいった。
ナナは触れてくる彼のゆびや、手の美しさや男らしさや、心地よい匂い、それに玩具の振動に堪えることに意識を持っていかれてしまうために、このとき残念ながらネクタイの結び方については覚えることができなかった。
おまけに、
(あ…っあっ、いや…っ、うそ…っ、イっちゃう…っ、)
ネクタイを結び終えると同時に我慢ができなくなり、死に物狂いでくちびるを噛みしめながら達してしまった。
「……っ!」
腰を動かしてしまわないように、必死になってメイド服のスカートを両手で掴んでいた。
それでも、そういった反応を見せてしまったのは確実で、玩具の振動はさらに一段階上げられてしまうと思われた。
すると薔は、彼女のあたまをやさしくよしよしして、
「何だよ、トイレ行きてぇなら行って来いよ。」
と、意外な言葉を掛けてくれたのだ。
「あ…っ、ありがとうございますっ、ご主人様っ…!」
ナナはぺこりと頭を下げてから、ありがたくトイレに行かせてもらうことにした。
脚を伝う蜜を拭き取る、絶好の機会だった。
努めてもじもじしてしまわないようトイレへ向かった、彼女の後ろ姿を見ながら、
薔はふっと妖しい、笑みを浮かべた。
[ 394/535 ][前へ] [次へ]
[ページを選ぶ]
[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]
戻る