※※第222話:Make Love(&Freak).130












 どこかに筒闇は潜んでいながらも、平和を取り戻しやってまいりましたは、

 火曜日です!












 『あ〜、我が校の生徒の皆々さま〜、おはようございます〜、校長先生だよ〜。』
 朝っぱらから生徒の皆さんは、細宮校長の呑気な挨拶を聞かされる破目になった。
 ステージ上ではさらなる台に乗った校長先生がマイクを前に、6月の朝を飾るにはふさわしくないほどのかっちりしたスーツ姿で立っていた。

 見ているだけでやや暑苦しかった。

 『最近ね〜、校長先生も咬まれたいな〜とか思っちゃってるんだけど、みんなも賛同してくれるよね〜?』
 ほっぺをさくら色に染めた校長もYouTubeでの情報を手に入れたようで、変態チックな願望を告げてから皆の賛同を求めた。
 生徒の皆さんは意見には心から賛同したが、教育の観点からいけば若干110番が必要かもしれないとか思っている。

 話題にされている当人は別のクラスの彼女のことしか気にしておらず、校長先生の話はまったく聞いていない。


 『ほんとね〜、美しいって罪だよね〜。』
 校長のこの台詞は決してナルシスト発言ではなくただの変態発言なのだが、ますますほっぺをさくら色にした校長がマイクを通してそう発信した直後に、

 「あああ!もう、イライラすんな!」

 端で見ていた男子生徒がずかずかと細宮校長へと歩み寄り、両手で抱えて台から下ろした。



 『6月になるまでほとんどおれ目立ててねぇけど、生徒会長の福田 陽(ふくだ はる)だ!ちなみに3年3組!』
 どうやら校長をステージ上の台のうえから下ろしたのは生徒会長くんのようで、マイクを通しての演説を取って変わった。
 でしゃばりたがりの校長先生は泣きそうになったが、そのまま教頭先生が抱えてステージを下りていった。

 生徒会長初めて見たわ……とか思っちゃっている生徒さんも多数いた。
 この物語では生徒会はほとんどと言うかまったく目立てていないので(副会長さんは女子生徒のため今年度は腐女子狙いも無理そうだった)。

 『みんなも知ってると思うが、来月には学園祭がある!本当は昨日決定事項を報告する予定だったが目立ちたがりの校長がただをこねたため今日になってしまった、申し訳ない!』
 なかなか爽やか男子生徒を醸し出している生徒会長の福田くんは、一度ぺこりと頭を下げてから、

 『今年の学園祭では、パフォーマンスコンテストは中止にした、だってあれくっそつまんねぇし!それから今年こそは校長にはでしゃばらせずに、もっとこう、みんなで作り上げてゆく学園祭にしようっつうことになった!』

 ラヴコメにとっては非常にありがたい学園祭内容を、提示してきたのだった。

 『だから今年の学園祭は、他校の生徒でも学校中を見て回れるように、クラスごとになんかこう……やりたいことを企画してそれを出し物として、一番の集客ができたクラスに校長から何かしらの景品を贈呈させたいと思う!』

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