※※第218話:Make Love(&Envy).127
官能的な衝動に任せ、
理性に逆らう鼓動、
目眩のなか、揺さぶられる。
水曜日の謝罪放送から始まって、萌にきちんと説教をした上に親衛隊に入隊もさせてあげた果蘭は、日曜日くらいはだらだらと寝ていたかったのだけどそうもいかなかった。
「……ん?」
朝っぱらからLINEのメッセージ通知で起こされた果蘭は、まだ寝ぼけ眼でスマホ(ロボットのほう)を手に取る。
目覚まし時計とかではなかなか起きられなくとも、メッセージ通知だと目を覚ましちゃうんです。
トーク画面を開くと、相手はクラスメート且つ隊員の一人で、
“大変だよこれ見て!”
といういかにも慌てている様子の文面と共に、YouTubeへのURLが貼りつけられていた。
グループで共有する前にまずは隊長にご報告を……と思ったのだろう。
「まっ、まさか…!」
刑事の娘故の勘か、何となくで悟った果蘭はYouTubeを開き、動画の視聴を開始した。
“Everlasting Love”
今さらながら明かされましたが、FeaRの新曲のタイトルです。
シングル発売に先駆けて、プロモーションビデオの視聴が開始されたようで、
ブ――――――――ッ!
果蘭は鼻血やら涎やらを吹き出す勢いで、叫んだ。
「薔さまかっこよすぎる――――――――――っ!」
ドキドキと、日曜日であろうともこれから仕事に向かう予定の果蘭ズパパは、娘の部屋から叫び声が聞こえてきたためプチもプチな張り込み調査のようなものをしていた。
「え?かっこよすぎるって……また事件の予感が……果蘭はまさか宝塚みたいなのが好きなのか?そうなのか?」
※パパは前回のプロモーションビデオから、薔は女の子なのだと勘違いしております。
「果蘭、お父さん今度……宝塚のチケット取ってくるよ……」
少しでも思春期の娘に近づきたいパパうえは、たまには一日ゆっくりと休みを取って親子で宝塚歌劇鑑賞もいいものだろうなと思いながら、出勤して行った。
「えええ!?何かすっごいこちら、似合いすぎてらっしゃるんだけど!なんか、本物みたい!いやそれより様になりすぎてる!」
父がとんでもない勘違いをしているとはつゆ知らず、果蘭は二度目の視聴をしながらふととある疑惑を抱き始めた。
「薔さまってじつは、ヴァンパイアなのかもしれない…!」
……いえ、ヴァンパイアなのは彼女のほうです。
「だとすると三咲さんはいつも、薔さまに咬まれてるのか!?羨ましすぎる!」
咬まれたことはなくいつも噛まされているのだけど、果蘭のこの疑惑から“薔さまがじつはヴァンパイアなのかもしれない説”は徐々に広がってゆくこととなった。
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