※※第216話:Make Love(&Sex aid).20













 妖艶に、哀婉に、
 あなたの中に、
 閉じ籠められたがっている。

 永遠に。














 その女子生徒は、2-5の授業が只今化学室に移動中であることを調べた上でこそこそと教室に入ってきた。
 手にはゴム製の微グロテスクな蛇のオモチャを握りしめている。
 2-1の教室に面した廊下を通ってくるのには恐ろしいほどの勇気が必要だったために、わざわざ遠回りをして後方の階段を上ってきた。
 ちなみに、腹痛で保健室に行くという理由で、立派に授業はサボっている。

 2-5以降の教室で授業中の方々に怪しまれてもいけないと思い匍匐前進で廊下を進むという、かなり怪しいやり方で教室に忍び込むことに成功した。
 前回もこのやり方で難なく、オモチャの蜘蛛を鞄の中に入れることができた。

 女の子はごくりと息を呑むと、足音を立てないようにして三咲 ナナ先輩の机を目指し、そろそろと鞄を手に取った。
 中には一冊のノート(それはもしや例の……)と、ザザえもん柄の封筒が入っている。

 女子生徒は気にすることなく蛇のオモチャを投げ込もうとしたのだが、封筒の表には綺麗なペン字でこう書かれていた。

 “匿名希望の間抜けなお前は必ず読むように(※読まなければ本物の毒蜘蛛をお前の鞄に入れといてやる)”










 (えええええええ!?あたしのことだよね!?これ!)
 度肝を抜かれた女の子は、蛇を握りしめたままガクガクと震えだした。
 文面からはただならぬ怒りのオーラが漂ってくる。
 それにしても三咲先輩の字って綺麗な上にかなり上から目線だな!と思った女の子だったが、ナナの字は彼氏が答え合わせの際に解読をするレベルだよ。

 女子生徒は恐る恐る手紙を手に取り、ピノ太くんのシールを剥がして封を開けた。

 そして恐る恐る広げてみたザザえもん柄の可愛らしい便箋には、やはり綺麗なペン字でこう書かれていた。

 “今度は蛇か、陳腐だな、2-6の教室からずっと見てるぞ?
  つうかやるんだったら正々堂々とやれよ”




 ……あきらかにこれ、書いたのナナじゃない!





 (げえええええええ!?監視されてるの!?マジで!?)
 手紙を読み終えた女の子は顔面蒼白になると、2-6の教室のほうは振り向こうともせず蛇のオモチャを握りしめたまま反対方向へ向かって駆け出した。
 となると否応なしに、2-1の隣の廊下を嫌がらせの品を手にしたまま駆け抜けてゆくことになります。

[ 280/535 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る