※※第206話:Make Love(&Public sex).3







 くちびるから放れたくちびるはゆっくりと、首筋へと伝い落ちてゆく。

 「ん…っ、あ…っ、……薔ぅ…っ、」
 彼にしがみつくナナは、甘ったるく呼び掛けて声を響かせ、

 「こら、」

 密やかに笑った薔は彼女のくちびるへと人差し指を当て、囁いた。

 「…――――そんなエロい声響かせちゃダメだろ?」








 「ん…っ、」
 頷いたナナの首もと、リボンが揺れ動く。
 「やっぱおまえって、いい子だな…」
 あたまをよしよしすると、薔はそのリボンの片端を引っ張って解く。
 彼に褒めてもらえると嬉しくて、ナナはますます下着を濡らしてしまう。


 「つっても、無自覚の魔性も持ってるからな…気をつけろよ?」
 耳にキスをして、ブラウスのボタンを外しながら、言葉を吐息に乗せた薔はくすっと笑った。

 「俺以外に見せて……狂わせんじゃねぇぞ?」








 「……っ、ん…っ、」
 ナナはどうしようもなくぞくぞくしてしまった。
 また耳にくちづけられて、舌も這わされ甘い痺れは止まらない。
 彼の言葉の意味は染み透るほどによくわかっていた、彼以外に見せて、“彼を”狂わせてはいけないのだ。



 「……いいこと思いついた、」
 不意にくちびるを離した薔は、ブラウスのボタンは途中まで留めたまま、自身のネクタイを解いてしまうと、

 「縛りつけられんのも好きだったよな?おまえ…」

 彼女の手をやさしく取った。
 何をされるのかわかってしまい、ナナはどうやっても高揚を抑えられずにいた。








 柱にくくりつけるように、ネクタイで両手を縛りつけられてしまった。

 「可愛いよ、ナナ…」
 ブラウスをスカートから引き抜き、残りのボタンを外してゆきながら薔は不敵に微笑む。

 「いつ誰が来るかもわかんねえってのに…めちゃくちゃに乱してやりたくなる、」





 プツンッ――――…

 最後のボタンが外され、ブラウスは左右へふわりと広がった。

 「それをおまえが望んでるってことを、俺はちゃんと知ってるから、」
 圧迫感を与えないよう本当にゆっくりと背中へ片手を這わせ、ブラジャーのホックを外してしまうと薔は、

 「無性に意地悪もしてやりたくなるんだよ…」

 持ち上げ、やわらかな乳房を零れさした。




 「ん…っ、んッ…んっ、は…っ、」
 両手で胸を揉まれだす。
 敏感になった乳首にさっそく触れるようなことは、してはもらえなくて、

 「鳴きてぇのに鳴けなくても、おまえってよく濡れるんだよな…」

 彼は耳たぶを甘噛みしてから吸って引っ張り、乳輪をゆっくりとゆびでなぞった。

 「そんなとこもほんと厭らしくて……俺も堪んねぇほど興奮してる、」






 焦れる乳首は、充血して硬くなる。

 「全部、おまえのせいだ…」
 薔は耳もとで、吐息のように甘く打ち付けた。

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