※※第204話:Make Love(&Make Love!).11








 「……っんぅっ、ん…っっ、」
 車の中ではキスをされただけで、火照る躰でも平然さを装いながら部屋に辿り着くとまたすぐに、くちびるを奪われていた。

 手にしてきたケーキの箱は、ガラス張りのテーブルの上へと置かれる。
 ソファに座ってこけしちゃんと醐留権はキスを交わして、絡めあう舌と舌でいやらしい音を響かせてゆく。

 ドレスの裾がたくし上げられ、太股を撫でられるこけしちゃんはビクビクと躰をふるわす。


 「はぁ……ぁっ、」
 やがてゆっくりとくちびるが放されてゆきながら、背中ファスナーをゆびで摘ままれた。
 「先にぃぃ…っ、ケーキはぁぁ…っ?」
 一番のサプライズとして用意してあるために、ファスナーを下ろされてゆきながらこけしちゃんはもじもじと尋ねる。

 「すまないね……私は先に君を戴きたいんだ、」
 笑って返した醐留権は、お構いなしにファスナーを下ろしきって艶いた背中を覗かせてしまうと、今度はブラジャーのホックへとゆびを掛けるべくそうっと肌を撫でてゆく。

 「んぅ…っあ、あ…ぁっ、」
 こけしちゃんはぎゅっと、彼のシャツを掴み、

 「でも、クリームを君の躰に塗りたくってもいいのなら…話は別だよ?」

 耳にキスをした醐留権は、肩からドレスを滑り落とさせブラジャーのホックを外した。


 「あ…っんぅっ、」
 肩を撫でられ、胸はまだ露にはされずにじれったくもあり、こけしちゃんは声を上げる。

 「ん…っっ、いいよぉぉ…っ?」
 そして、この際ならえっちなことをしながらケーキを御披露目しても構わなかったために、甘ったるく振り絞った。

 「こないだぁ…っ、読んだBLにぃぃ…っ、そういうのがあったからぁぁ…っ……」









 ここでもやはりボーイズラブかと、醐留権は思わず吹き出しそうになったのを懸命に堪えた。
 クリームを使ってもいいことに、興奮もしてしまったし。

 「一緒にぃぃ…っ、開けるぅぅ…っ?」
 着衣を乱して潤んだ瞳で、こけしちゃんは首を傾げて確かめてくる。

 「そうだね…」
 その姿にさらに欲情してしまった醐留権は、彼女へとやさしくくちづけて、ふたりは一緒にケーキの箱に結ばれた赤いリボンへと手を伸ばした。



 シュルリと解くあいだも、また、くちびるを重ねて舌を絡めあう。
 まるで手探りで、それでも何も手こずることなくリボンを解き、ふたりは息を合わせてケーキの箱の蓋を開けた。

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