※※第167話:Make Love(&Honeyed).95






 「で…っ、でもっ、薔…っ、お熱…がっ、」
 もちろんセックスはしたくて仕方ないけれど、ナナはそのことが心配でならない。

 「あるから止めんのか?おまえだって感じてるくせに、」
 「あ…っ、あっ…」

 お構いなしに彼はキスをつづける。


 「捕まえちまったら離せねぇよ、ばか…」

 くちゅ…

 耳へ舌を這わされ、エッチな音を聞かされてしまうと、

 「ああぁ…っあ、あ…っ、」

 ナナはゾクゾクと感じ、ふるえてしまう。



 「ほらもう止めらんねぇだろ?」
 熱い吐息でも触れた薔は、彼女のくちびるへとゆびを這わす。

 「あ…っ、はぁ…っ、」
 ゆびさきだって、熱い。
 溶かされてゆくようだ。

 親指が下へと滑り落ち、弾かれたくちびるのあいだ堪えきれず息は荒ぶ。


 「…こっち向いて?」
 甘く囁かれてしまうだけで、従うことしかどうやってもできなくなって、

 「は…っ、あ…っ、」

 ナナの顔は彼に匹敵するほど火照ってしまっている。



 ちゅっ…

 「……っん…」

 やわらかく、くちびるは触れあい、

 いったん少しだけ離して見つめあってから、薔は微笑む。



 チュ――――…

 次にはもう少し、キスは深みを増し、

 「ん…っ、は…っ、」

 下唇をゆっくりやさしく吸われてしまうと、気持ちよくて欲情して堪らない。
 撫でられる髪に、薔のゆびは丁寧に絡む。


 吸われながら離されたくちびるは、弾力を帯びまだ彼とくっつきたがっていて、

 「おまえはここにキスしてよっか…」

 自身の上唇をゆびで示し、薔は促してきた。
 妖しくて甘い雰囲気に、心からすべて奪われてゆく。


 「ん…っ、」
 ナナが小さく頷けば、キスは続行され、

 はむっ…

 それはやさしく、下唇を甘噛みされる。

 「は…っん、」
 ナナは言われた通りに、彼の上唇にそうっとキスをする。


 撫でられる頬が火照る。
 高熱を出しているのはどちらだったか?途中からそれさえもわからなくなるくらいに。
 互いに熱くなって、何度もくちびるを重ねている。




 「ん…っ、ん……」
 次第に、艶かしく動くくちびるは舐めるようにくちびるを伝い、

 …ッ…くちゅっ…

 ゆっくりと口内へと舌が滑り込んできた。

 「…――――――っん…」

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