※※第167話:Make Love(&Honeyed).95







 帰り道の間にも、熱はまたいくらか上がったことと思われます、

 バタン――――…

 帰宅です!







 「あああのっ、頭を冷やすやつを貼りましょう!用意いたしますので!」
 帰宅したとたん、ナナは率先して彼の看病を始めた。

 「ん……」
 朝より火照っている気がする薔は、ぽーっとして甘ったるく返します。



 “あああ、ご主人さま…”
 “ぼくも花子ちゃんのごしゅじんさまがしんぱい…”
 冷えピタを咥えてきた花子と、花子に寄り添う豆も心配そうに見守る。






 ぴた

 こけしちゃんに、おでこより首回りのほうが効果があるよぉぉ?と教えてもらったナナは、その通りに冷えピタを貼り、ザザえもんのバスタオル(選りすぐって厚手のやつ)を彼に掛けると、

 「ではわたくし、お粥作ってまいります!」

 気合いを入れて腕まくりをし、レシピを手にキッチンへと向かっていきました。





 「かわいすぎだろ、あいつ…」
 風邪声で呟いた薔は、ソファへとゆっくり横になると、高熱があるため寒いのかちょっと体を震わせた。


 “ご主人さまーっ!”
 “花子ちゃんのごしゅじんさまーっ!”

 よって、わんこたちがあたためにかかった。



 「なんかくすぐってぇな…」
 薔は楽しそうに笑っております。











 ……はわわわわわわぁ!

 キッチンにて真っ赤っかになったナナは、思わず泡立て器(何に使うの?)を落っことしそうになった。

 (かっ、かわいすぎるっ…!)



 対面式キッチンなため、リビングの戯れ?はばっちり観察できるわけで、

 (しゃっ、写真を撮りたいけれど、お粥を作らなければ…!)

 ナナは慌てて泡立て器(だから何に使うの?)を握りしめた。

 (あああああ!でも可愛すぎる――――――――――っ!)

 とか言ってる場合じゃない!









 (えーと、おかゆ、お粥、そう、お粥!)
 必死になって確認しながら調理に取りかかるものの、

 (なぜにわたしはあのひとにザザえもんのバスタオルを掛けちゃったんだーっ!可愛すぎて困っちゃうよもーうっ!)

 萌えながら頭を抱えた。





 「あいつ見てるとほんと飽きねぇな、」
 「ワン!」×2

 リビングからはキッチンの様子だってさながら丸見えでございます!

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