※※第198話:Make Love(&Pornography).116







 「んうっ…ん、ん…っ、」
 ナナはすぐ目の前にあるのに、シャツで彼の匂いを堪能しながら、ゆびで自分の中を擦る。

 ヌグッ…グチュッ――…

 「自分で気持ちいいとこ、見つけられたか?」
 確かめた薔は、彼女の視線を視線で捕らえる。

 「んんん…っ、」
 ナナは涙目になって、首を横に振り、

 「俺ならすぐに見つけられんのにな…」

 彼は妖美に微笑んだ。



 「ん…っっ、」
 ナナはビクンッと躰をふるわす。
 気持ちいい場所が見つかったからではなく、自分より遥かに自分の躰を知り尽くしている彼の言葉に、興奮してしまったからだ。

 愛液はかき出される、見つめる彼に触れられることを待ち望む。


 『あ…っはあっ……』
 『すごい、ビクビクしてる、乳首感じるんですなね…』
 アダルトなビデオのほうでは、ついに露にされた乳房が両手でまるで鷲掴みにされたり、乳首をゆびさきで素早くぷるぷるとふるわされたりと強く弄くり回されていた。

 「ん…っ、ん……ンっ、」
 そんな光景へと目をやったナナは、胸を彼に弄られたくて堪らなくなる。
 だけどおそらく今は、自分で弄るしかない、じれったさの中で彼女はそう思っていた。

 「ん…っん、ん……」
 シャツをぎゅっと握りしめ、手こずるだろうがナナがトップスを捲り上げようとした瞬間、

 グイッ――――…

 いきなり、その手を掴んで離させた薔は、彼女へと迫り口にしたのだ。

 「俺がしてやる…」






 ナナにとっては、願っても無いことだ。

 手を掴まれた拍子に、シャツは舞い落ち、

 「こいつはもう必要ねぇな?」

 彼女の手首を掴んでいないほうの手で、薔はそのシャツを掴んで床へと散らせた。


 ナナはゆびにしっかりと感じていた、自分の中がキュウキュウと期待に疼くのを。
 手首を掴まれただけで全身が、瞬時に火照る、それは彼でなければ打ち込むことのできない焔だった。

 「中はまだ自分の指で乱してろよ?」
 言い聞かせて手首を放すと、薔は服のうえから両手で胸を揉み始める。
 「あ…っあ、あ…っ、」
 しなやかに執拗に揉みしだかれ、じんじんとしていた乳首はもう膨れて、動くブラジャーの裏地と擦れるだけでひどく感じてしまった。

 「もっとぐちゅぐちゅ言わせられるだろ?」
 近寄ることでグイと脚を開かせ、耳もとにくちびるを寄せて薔は囁く。

 「はっあ…っん、」
 あたたかい吐息にも、濡れたような声にもぞくぞくして、ナナは必死になってゆびを動かし始めた。

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