※※第198話:Make Love(&Pornography).116
ナナはもじもじと寝室に向かい、一人エッチのために味わっていた彼のシャツを持ってきた。
「こ……ここで、するんですか…?」
ソファに並んで座って、躰は彼のほうへと向けながら、ナナは上目遣いに尋ねてみる。
テーブルの上に置かれた彼のアルバイトの制服が気になって仕方なくもあるのだけど、あとで試着して見せてもらおうと今は考えることにした。
「続きをな?」
笑った薔は背もたれに片肘を突いて、ちょっと妖しく彼女を見ている。
『いや…っ、ダメ…よっ、』
『でも僕もう、止められない…』
シャツを取りに行っているあいだにAVは早戻し(ビデオ時代は巻き戻しと言った)されたようで、年下のご近所さん設定の男優さんに、真っ昼間からいやらしいことをされてしまうというその出だしのシーンが大画面には映し出されていた。
音量はうるさく感じられない程度まで落とされている。
無理矢理始められたのだけど、だんだんと気持ちよくなっちゃって……というやつです。
「どうした?早くやれよ、」
薔は目の前で恥じらう彼女を、大胆不敵な微笑みで促す。
「……っ、ん…っ、」
AVのほうにも触発されちゃって、辛抱ならないナナはソコに手を伸ばすしかなかった。
「自分で触れてみたときにはもう、濡れてたのか?」
彼女の自慰をただ見ているだけの薔は、一人でしていた時のことをわざと思い出させて、濡らす。
「だって、薔のシャツが……いい匂い、してたんですもん……」
ナナは彼のシャツを掴むように抱きしめながら、パンツの中へとゆびを忍ばせ、入り口から1本を滑り込ませた。
ツププッ――――…
「あ……っん、」
「へえ…やらしいな、ほんと…」
ただ見ているだけとは言っても、薔は言葉や視線では捕らえるような愛撫を彼女に与えてくる。
『やめて…っ、ダメ…っ、』
『おっぱい柔らかいですね…』
画面では女優さんが、服の上から胸を強く揉みしだかれている。
「は…っ、あ…っ、」
ナナはおもむろに、ゆびを抜き差しし始める。
「俺にちゃんと見えるように、もっと脚開きな?」
誘い出すように命じて、それでも薔はまだ触れてさえくれない。
促される前に撫でられたあたまが、ふわんと熱くなる。
「それから、おまえのエッチな音…まだあんま聞こえてこねぇぞ?」
彼は悪戯っぽく、言葉をつづける。
「ん…っあ、あ…っ、」
ナナはシャツをぎゅっと抱きしめ、脚を開いて見せた。
グチュッ……グチュッ……
「んんン…っ、」
そして彼のシャツに顔をうずめ、なるべく音が立つようにゆびを抜き差しし始めた。
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