※※第198話:Make Love(&Pornography).116








 「それより薔は面接はどうだったんですか!?」
 ナナは素直な気持ちで話題を切り替える。

 「一日だけだからそんなに堅っ苦しいもんじゃなかった、すぐに受かったよ、」
 持ち帰った制服を、ぽすんとソファに置くと、

 「それより、おまえは今何を観てたんだ?」

 おそろしいほどの落ち着きようで、改めて薔は問いかけてきた。



 ギクリとしたナナは、彼が持ち帰った制服に興味津々で、

 「ザ、ザザえもんです……」

 早く見せてほしいがためにそこは適当に返す。


 「ふーん、」
 奪い取ったリモコンで、薔はテレビをつけた。

 「あああ!ダメですっ!」
 ナナは慌てて阻止しようとしたのだが、間に合うはずもなく、

 『ん…っあんっ、あ…あんっ、あんっ、』

 部屋にはAV女優さんの喘ぎ声が響いた。
 どうやら騎乗位からバック責めへと体位は変えられたようだ。



 「あの喘いでんのがでこぼこってことか?」
 「そっ、そうなんです!」
 薔の問いかけに、ナナは乗ろうとした。
 このままうまくザザえもんで丸め込む作戦に出たのである。
 となると、バックからガンガン突いているAV男優さんは、ピノ太くんということになるのか?


 「なわけねぇだろ。」
 「ひぇぇえ!」
 ナナの苦し紛れに薔が騙されるはずもなく、彼の雰囲気はとたんに険しくなった。
 迫られるナナは、フローリングの上を後ずさる。

 「こんなんどうやって入手した?」
 「フッ、フウちゃんから、お礼の品としていただきました!」
 「何の礼だよ、」
 「わたしにもよくわかりません!」
 必死になって後ずさるナナは、スカートの中のパンツが彼に見られちゃいそうな勢いだ。


 迫る薔と後ずさるナナの前、

 『あああん…っ……いい…っ、気持ちいい…っ、』

 アダルトな行為は繰り広げられている。


 「ちょっと待ってくださいよ!」
 「あ?」
 迫られるナナは壁へと追いやられてしまい、ドッキドキのなか真っ赤になって力説した。

 「わたしはただ、薔のおシャツでエッチなことをしようとしてただけなんです!そしたら途中でフウちゃんが来てこれを渡して行ったので、映画なのかと思って観てたみたら、こんなエッチなので……」

 と。




 「決して、これを観ながらエッチなことをしようとしていたわけではないんですーっ!」
 そのまま赤裸々に告白をつづけると、

 「そうだったのか、」

 納得したのであろうか、彼女のあたまを撫でた薔は迫るのをやめた。


 ナナは耳まで真っ赤にしながら、一瞬ホッとしたのだけど、

 「ならここで続きしていいぞ?」

 ………………え?

 彼はとんでもなく意地悪な微笑みを落とし、促したのだった。

 「ほら、早く俺のシャツ持って来いよ…」

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