※※第198話:Make Love(&Pornography).116








 「お借りしてきちゃった……」
 花子と豆と一緒にウトウトしたかったナナだが、どうしても気になって拝借してきちゃいました、彼のシャツを。

 うっとりと手に取り眺めるナナは、リビングではわんこたちが寄り添って眠っているため寝室のベッドの上にてこっそり夢見心となる。
 花子は警戒心を働かせつつ豆と眠っているので、この行為は仕方ないと判断したのだと思われる。


 「前に穴が開いたのは、いただけけどあのひとが次の日にお洗濯しちゃったからな…」
 しみじみと、視線で穴が開くほどに彼のシャツを眺めると、

 「お洗濯してないのがあってよかったよぉお…!」

 感激のナナはシャツを抱きしめてみた。

 「いっぱい匂いかいだら……濡れちゃうかな…?」
 とは、口にしながらも、彼女は心ゆくまでハスハスしてみようと勇気を出した。
 彼には見られていないのだし。

 「ん……」
 抱きしめながら、顔をうずめてみる。
 (うはぁ――――――…いい匂い……)
 だいぶ変態だとは思いながらも、止められない。
 匂いが残っていると、ぬくもりも残っているような気がしてくる、不思議なくらいに。
 ナナは彼に早く帰ってきてほしくて、堪らなくなる。

 じわりと、パンツが濡れ始めるのも、自分では止められなくて、

 「……っん……」
 ナナは彼のシャツを抱きしめながら、そろそろとソコへと手を伸ばした。

 クチュッ――――…

 パンツのうえからでも音が聞こえるくらいに早くも濡れていて、ナナはますます自分が変態だと思ってしまった。

 「ん……んっ、ん……」
 けれど、彼のシャツの匂いをかぎながら彼の帰りを待ちわび、一人でえっちなことをしてしまうような躰にされてしまったことだって、この上なく確かだ。


 「……ん…っ、薔ぅ…っ、」
 ナナは甘ったるい声で、彼の名を呼ぶ。
 するとますます蜜が溢れて、早く彼に触れてほしくなってしまう。

 …ッ…グチュッ…

 パンツのなかへとゆびを滑り込ませて、彼女は膨れ始めているクリトリスを撫でた。
 自分のゆびに、自分のあたたかな感触がヌルヌルと伝わりくる。

 「ん……っあ、は…っ、」
 ナナはだんだんと、夢中になってきた。
 秘部を弄りながら一度大きく息をして、思い切り彼のシャツへと顔をうずめる。

 「んっん…っン、ん…っ、」
 とろりとした愛液をゆびに絡めて、ナナは入り口へとそのゆびを滑らせた。

 ヌプッ――――…

 そして中へと滑り込ませようとしていたときに突然、

 インターホンの音が鳴り響いたのである。


 びっくり仰天したナナはベッドの上に座ったまま飛び跳ねたが、彼のシャツはしかと手にしたまんまだった。

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