※※第197話:Make Love(&Passion).115








 「俺もそれはずっと、思ってたんだよな…」
 「あ…っ、ん…えっ?」
 また猥りがわしい音を聞かせて耳を舐め、敏感にさせてゆきながら薔は吐息に乗せる。

 「おまえを孕ませてやりてえ…って、」







 「ん…っ、あ…あっ、」
 エロティックな言葉の響きに、ナナはますます淫らな気分となった。

 「だからいつもいっぱい…中に出してやってるだろ?」
 ふっと笑った薔がくちびるをそっと放してゆくと、

 「はあ……っん、」

 ナナは全身の力が抜かれたようで、痺れてしまった。
 言葉にされた彼女の中は、まだ入り口にさえ触れられていないというのに熟れたように蜜を垂れ流す。



 「何度でも繋がって、何度もおまえん中に俺を残せば…叶うかもしんねぇな?」
 濡らした耳にキスをして、薔は甘く囁く。

 「俺はそんな気がしてる…」







 「あ……っあ、」
 彼がそう言うのなら、ナナもそう思えてきた。
 感覚が融けあうみたいだ、何なのだろうか、この絶対的な安心感は、

 この上なく安らいでいるというのに、燃え上がる危険な香りは。






 「は……」
 吐息を零し、薔はくちびるを放す。
 目元に当てられていた片手が、滑り落ちる。

 それでも恭順に、彼女は瞳を閉じたままで、

 「ナナ……」

 滑らせた手で顎を持ち上げ親指で撫でたくちびるを、薔は深く奪ってしまったのだった。

 「……っん、」










 …ッ…じゅっ…ちゅくっ…

 「ん…っふ、ん…っ、」

 息の根ごと奪われてしまいそうなキスに、目眩を覚える。
 合わさる呼吸すら互いに飲み込み、舌を絡めあう。
 抱かれた腰を這うゆびが、しなやかに衣服を乱す。

 髪も、そうだった、しなやかにそうっと、ゆびを絡めて撫でられ内側から乱されてゆく。


 「ん…っン、うん…っ、」
 ナナは甘い声を漏らして、彼へとしがみつき、

 「はあ…っ、」

 いったん、くちびるを僅かばかりに放してふたりは荒く息も絡めあった。



 「はあ…っ、あ…っ、薔ぅ…っ、」
 「ん?」
 濡れたくちびるが擦れあう距離で、ナナは振り絞る。

 「目…っ、開けたいっ…ですっ……」







 そして彼の姿をよく見たいと、切に思った。

 その気持ちがちゃんと伝わってくる薔は、彼女へとやわらかくくちづけると、

 「まだダメ…ちょっと意地悪してやる、」

 悪戯っぽく笑って再び片手で目元を覆い、首筋へとくちびるを伝わせていった。

 「おまえが悪いんだからな?」

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