※※第194話:Make Love(&Thickness).113







 いきなり押し倒され、声を上げてしまいそうになったナナのくちびるへと、薔は人差し指をやさしく当ててくる。

 「声聞こえるから…気をつけろよ?」
 薄明かりのなかで見下ろす彼は微笑む。
 息を呑んだナナは小さく頷き、ゆびがくちびるを撫でた。

 「もし、俺以外のやつが聞いちまったら…俺はそいつに何するかわかんねぇからな?」
 ゆびを滑らせた薔は、彼女のパジャマのボタンを外してゆく。

 ちゅっ…

 「……っん……」

 そして首筋へとキスを落とされ、ふるえたナナは一所懸命に声を我慢した。
 ふたりの寝室で、声を我慢しなければならないことに躰はひどく興奮してしまう。
 蜜が溢れだし、彼女のソコは下拵えを始める。


 「どうしても我慢できねぇときは……俺を思い切り噛んでいいぞ?」
 肌をくちびるが伝い上がリ、今にもキスできそうな距離で吹き掛けてから薔はそっとナナへとくちづけた。

 「……っ、ん…っ、」
 やわらかくくちびるが触れあい、甘くていい匂いがして、ナナはきゅっと彼の枕を掴む。

 「は……」
 ディープにする手前で放していって、薔はまた下へとくちびるを這わせてゆく。
 ボタンが全部外されたパジャマは肩を滑り落ち、大胆にはだけさせられ双丘が零れ落ちた。

 「乳首…充血してんな?」
 抱き上げて乳輪を舌で撫で、丁寧にかたほうずつ腕をさらけ出させながら彼は彼女のパジャマを脱がしていった。

 「もう俺の色に染まってんだな…」







 正真正銘、ナナはどこもかしこも彼の色に染まっていた。

 ギシッ…

 ベッドは軋んで、薔は彼女の下半身を纏うものも脱がし始める。
 ただ戯れたお風呂から上がリ身につけたものが全部、脱がされてしまえばすぐにまた一糸纏わぬ姿となった。

 持ち上げた脚にもくちづけて、痕を残すと彼は、

 「ここも赤くなってる…」

 そうっと秘部へとゆびを這わせてくる。


 「……っん、ン…っ、」
 ナナは自分のゆびを咥えて、声を抑える。
 蜜が糸を引いて、彼のゆびは離されてゆき脚が下ろされた。
 シーツが波打ち照らし出され、汗に湿り出し凄艶である。

 ぐいと、口元に当てられていた手を離させてから、薔は彼女のくちびるを奪う。
 今度はゆっくりと、舌が滑り込んでまずは歯齦をなぞり、気持ちよさにふるえたナナは乳房を揺らした。
 乳首がちょっと、彼と擦れて気持ちがいい。


 溢れだす愛液は止め処なく、はやくもシーツに淫れた染みを作っている。

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