※※第193話:Make Love(in Clubroom).112








 チュ――――…

 「……っん、」

 共同作業でカーテンを引いてしまうとすぐに、ナナは抱き寄せられくちびるを奪われた。
 ブラウスの上から、抱いた腰へとゆびが食い込む。
 撫でられる髪がゆるやかに揺れている。


 やさしく吸いつくようなキスを、何度か交わしてから、

 「…――――口、開けて…」

 ちょっとだけ放すと、また触れあいそうな距離で薔は囁く。


 彼のくちびるが動けば、自分のくちびるに触れるのがまたナナは気持ちがよくて、

 「んっ……は、っ…」

 言われた通りに、おもむろに口を開ける。


 すると舌先に、舌先が触れた。

 「あ…っ、ん…っ、」
 おまけに誘い出されるように、舌を吸われてしまう。
 吸われた後にはもう少し、深く絡めあう。

 「んん…っ、」
 キスの最中にいきなりナナは、背中をカーテンの引かれた窓へと押し当てられた。
 彼女はぎゅっと強くカーテンを握りしめる。

 制服のスカートが、カーテンに引っ掛かりほんの少し捲れ上がった。
 ナナの艶いた太股がふるえる。

 キスで口内を探りあい、くちびるを触れあわせる、呼吸はいつの間にか合わさっている。


 ここでは初めて響かせている、いやらしいリップ音が次々と響いてゆき、

 「……は…っ、」

 やがてゆっくりとくちびるが放されると、唾液は細く糸を引いて今度はやさしくくちづけられた。

 しかもやさしくくちづけているあいだに、

 シュルッ――…

 薔はナナのリボンの端をかたほう引っ張り、解いてしまった。

 「あ…っ、」
 包み込むように放されたくちびるが弾み、解かれたリボンが揺れて左右それぞれに落ちる。





 「声は我慢してろよ?」
 耳にキスして言い聞かせてから、薔は首筋へとキスをつづけていった。
 「ん…っ、ん……ンっ、」
 全力で彼に従うナナは、カーテンを掴みながら必死になって声を我慢する。

 「感じてるくせに…偉いな?」
 肌の近くでくすっと笑って、吐息でも刺激をすると、

 むにゅ…

 薔はブラウスの上から胸を揉み始めた。



 「ん…っん、んう…っ、」
 ナナはきゅっと握った片手を口元に当てて、思わず上げてしまいそうな嬌声を一意専心となって抑えている。
 ちょっと意地悪く褒めてもらえたことも、彼女の原動力となっている。

 「ここからでもじゅうぶん、摘まめるな…」
 そんな彼女の声をもっと引き寄せながら我慢させようと、薔は硬くなった乳首を衣服ごと摘まんだ。

 「んんン…っ、は…っ、」
 ナナは潤んだ視線を愛撫される胸へと落とし、曲げた自分のゆびを少し咥えたのだった。

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