※※第191話:Make Love(&Sex aid).13
ゴールデンウィーク中は劇の稽古はお休みだったが、この日からばっちり演劇部の活動が再開されました。
放課後です!
しばしのミーティングの最中、ずっとウズウズしているようであった副部長こと箕島くんは、
「あの、すみません……」
ミーティングが終わるとさっそく、得意げだけど控えめに、手作りのマスクを薔へと差し出してきたのだ。
「劇の最中、薔さまに被っていただくマスクが完成いたしました!」
大型連休中はマスク作りに励んでいた箕島くんはかなり手先が器用なようで、おまけにロマンチストでもあるようでと言うべきか、その立派なマスクはまるで仮面舞踏会にもつけて行けるような代物だった。
飾りつけはじつに華々しい。
基調はシルバー、散りばめるように張り付けられたスパンコールたちは寒色系で、真ん中あたりにつけられた4本の大きくしなやかな羽根はコバルトブルー、羽根を束ねるように結ばれたリボンは鮮やかな瑠璃色のレースとなっている。
「ぶわ〜っはっはっはっはあ!」
「何か言ったか?」
「部長!ちょっと、静かにしててくださいよ!」
勇気を出して差し出した箕島くんだが、部長さんの大笑いが絶好調すぎてほとんど薔には聞こえていませんでした。
「わああ!それを薔がつけるんですかあ!」
劇の内容からそう察したナナは、キラキラと煌めく仮面に瞳を輝かせ、
「一度、合わせてみていただいてもよろしいでしょうか?」
ドキドキの箕島くんは恭しく、飾りつけに於いては仰々しいくらいの仮面を薔へと手渡した。
「……随分と趣味悪りぃな、」
低い声で呟いた薔は、いちおう仮面を合わせてみてあげたのだけど、
「こんなんだったら最後まで素顔明かさなくてもいいか?」
仮面が隠しているのはほぼ目元だけとなっていた。
(一緒に踊らせていただきたい…!!)
仮面はあれですが、ドキッとした周りは心でそう叫び、
「うわあ!薔っ、かっこいいですーっ!」
「これつけて言われてもあんま嬉しくねぇよ、」
ナナは食いつき、薔はすぐに仮面を外してしまった。
「箕島よ……かっこよさ隠さなきゃダメなんだってば。」
「ごめんなさい…」
「だははははははは!」
丹精込めて作った仮面ですが作り直しとなりましたとさ。
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