※※第165話:Make Love(&Shame).93






 脱衣場のドアを閉めたとたんに、

 ドンッ――――…

 そのドアへと背中を押し当てられ、ナナはくちびるを奪われていた。


 「……っん、っ、」
 手首を掴まれ、キスはいきなりディープに始まる。

 ちゅぷっ…くちゅっ…

 「は…っ、んん…っ、」
 息を漏らせば、すぐに塞がれて、舌に舌が絡められる。
 もうすぐ脱いでしまうであろうな下着は、ここぞとばかりにどんどん濡れてゆく。


 ガクッ…ガクンッ…

 案の定腰は砕けて、つよく甘く抱きしめられ、

 「んんん…っ、んっ、ふ…っ、」
 ナナは薔へとしがみついた。
 舌が立てる音は、艶かしく響く。



 ビクッ…ビクンッ…

 待ちに待ったキスだけでもうイけてしまいそうで、躰をふるわしつづける。

 やさしいのだけど濃厚に舌を絡め取られ、卑猥に動く口と口、欲情する全身は火照る一方で、

 「はあ……ぁっ、ん、」

 くちびるはゆっくりと、離されていきました。


 トロッ――…

 糸を引いた唾液が、煌めいて垂れる。






 「このまま…脱がしっこしようか、」
 クスッと笑って、薔は誘い、

 「は…いっ、」

 溶かされてしまいそうなナナは、ふるえる両手で何とか従う。


 ちゅっ…

 「……んっっ、」

 互いの服が、脱がされてゆく最中にも何度もキスを交わして、

 ツッ――…

 薔の手は、汗で湿った肌をエロティックに滑る。


 「ん…っ、あ…っ、」
 するとまた感じすぎて、ナナは手こずり、

 「よく濡れてんな、ここ…」

 囁いた彼は、びしょ濡れになったパンツもゆっくりと脱がし始めた。


 「……っん、っ、だって…っ、」
 ナナは息を乱し、

 「俺のせいだろ?」

 微笑んだ薔はとうとう、彼女を一糸纏わぬ姿にさせてしまい。


 「あ…っ、」
 先に言われてしまったナナの、アソコはじんと熱くなる。

 彼のなめらかな肌から、視線を逸らすことも赦されずに。

[ 36/537 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る