※※第188話:Make Love(&Make Love!).10








 葛篭先生とハリーはそれぞれに温泉を堪能していたため、部屋がカップルごとになったことをこけしちゃんと醐留権がそれぞれに報告してから鍵はいずれ旦那のほうに預け、ふたりとも仲良く部屋へと戻った。




 「あぁぁ、結局ぅ、男同士でしっぽりはお預けなのかぁぁ…」
 少し残念そうに、こけしちゃんは彼氏のためにお茶を煎れてくれた。

 (男同士でしっぽり…?)
 とか思いながら、醐留権は彼女が煎れてくれたお茶をフゥフゥしている。
 トレードマークの眼鏡が曇る。


 「ゾーラ先生ぇ…」
 「なんだい?」
 そして、男同士でしっぽりについてかと思いきや、恥じらうこけしちゃんはいきなりこんなことを言ってきたのだ。

 「あたしねぇ、……おっぱい揉んでほしいのぉぉ……」








 危うく醐留権先生は、せっかくの彼女が煎れてくれたお茶を豪快に吹き飛ばすところだった。
 懸命に堪えたが、眼鏡は限りなく曇っている。

 「いっぱい揉んでぇぇ……おおきくしてほしいなぁぁ……」
 こけしちゃんはもじもじしながらも、自ら浴衣をはだけさせ、おねだりをつづける。
 もちろん、浴衣の下にブラジャーを着けてはいない。



 「それはまぁ、私にとっても、願ったり叶ったりなんだが、」
 噎せそうになったのも懸命に堪え湯飲みをテーブルの上へ置くと、醐留権は曇った眼鏡をくいっとさせてから、

 「いきなり露にしてはいけないよ?焦らしたいからね…」

 彼女の浴衣もくいっと、もとのように整えさせた。


 「あぁぁ、要のいじわるぅぅ…」
 こけしちゃんは火照った顔で、上目遣いに彼を見る。
 でもちょっと、眼鏡の曇りが取れていないから面白い。

 「これでは余計に、見えにくいな…」
 醐留権は困ったように、眼鏡を外してテーブルの上へ置いた。


 ピンと起った乳首は可愛らしく、浴衣の下から張り出している。
 それが両の胸に微かな影を作っているのが、妙にそそられるのだけどじつのところ醐留権にはあまりはっきり見えていないのである。





 「……まだぁぁ…?」
 じれったそうに、こけしちゃんは躰をくねらせる。
 「まだだよ…」
 ふっと笑った醐留権は彼女の顎をそっと持ち上げ、キスを落とした。

 チュ――――…





 「……っんぅ…っ、」
 甘ったるく声を漏らしたこけしちゃんは、彼へとやわらかな胸をすり寄せてくる。
 やわかいのに、ふたつの突起は硬くなっている。
 触れるその、バランスの良いアンバランスな感触に、気分は高揚した。

 髪を撫でられ、浴衣は艶いた素足を覗かせている。

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