※※第188話:Make Love(&Make Love!).10








 「PTOをわきまえてくれないと…」
 「羚亜くん、それを言うならTPO…」
 あまりの煩さに、羚亜と愛羅も呆れている。
 ちなみに、PTOとTPOでは、PとTが入れ替わっただけなのにまったく違う意味になります。


 「花子ちゃん、くすぐったい…」
 ナナはぎゅっと花子に抱きついている。


 「いろいろと大変ですねぇぇ…」
 「ありがとうございます、先輩…」
 これこそが真の感動の再会か、こけしちゃんと真依はいつの間にか熱く手と手を取り合っていた。

 「そういえば、あの漫画最高でした…」
 「いざって時のぉ、攻めのヘタレ具合にキュンキュンしちゃいますよねぇぇ…」
 「わかります!」








 どういうわけか彼女同士が仲良くしているゾーラ先生と屡薇はしばし、目と目でご挨拶。

 女の子たちはとうとう、ドアを叩き始めたため、

 「あー…ったく、うるせぇな…」

 我慢がいかなくなった薔は、かなり険しい雰囲気でいきなり引き戸を開けた。




 女性と部屋の中へ入っていったように見えていた女の子らは、いきなり出て来た美形男子にたいそうびっくり仰天した様子だ。
 そして女の子たちはすぐに悟った、目の前にいるそら不機嫌そうなそのひとは、Starsのプロモーションビデオに“屡薇の彼女役として”出演していたのである。


 様々な妄想によりぴたりと静かになった女の子らに向かって、薔は堂々と言い放った。

 「邪魔すんじゃねぇよ。」









 「失礼いたしました…!どうぞ、ごゆっくり…!」
 女の子らは恐縮し、深々と頭を下げた。

 「つまみ出されたくなかったらマナーは守れよ?いいな?」
 「はい…!ほんとうに、申し訳ございませんでした…!」
 さらに深々と頭を下げてから、深く反省をし妄想を開始しながら控えめに女の子たちは廊下を歩いて行きました。
 でも否応なしに、登紀子女将から注意を受けることにはなったそうな。





 「せ、先輩…!」
 「言いたいことはよぉぉくぅ、わかりますぅぅ。」
 真依とこけしちゃんはさらに強く、手と手を取り合った。
 女の子たちのとんでもない思い違いについて、瞬時にわかり合えたようだ。




 しかしながら、この騒ぎで多大なる迷惑を掛けられたという理由で、醐留権は登紀子叔母さんから強引にもう二部屋借りることに成功した模様です!
 寛ぎの時間のためにも、親戚だからと言って口出しさせないことも強引に誓わせました。



 となると、ここからはばっちりカップルごとにしっぽりでございます。

[ 362/537 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る