※※第165話:Make Love(&Shame).93






 (あぎゃああああああ――――――――――っ!)

 あーっ、ぁーっ(※たいそう萌えてはおりますけれどすみません!夕月さんのものにはなりません!なエコー)


 夕食後にトイレでこけしちゃん小説を読み耽っていたナナは、いったん勢いよくノートを閉じていた。

 (おおおっ…!こけしちゃん!お久しぶりに夕月さんでしたかーっ!)
 そして、鼻息を荒くして大興奮。




 (いやもう、あのひとがまだエッチなことをしてくださらないからこけしちゃん小説を読んだんだけど、ますますエッチな気分になってきちゃったよーっ!)
 と、真っ赤っかになり悶えていたナナさんは、

 …………んんん?でも、そういえば…

 あることに、気づいちゃった。

 (このノート、わたしより先に薔が読んだような……)





 …と言うことは、夕月さんも登場することを知られちゃったんですか――――――――っ!?

 ……あわわわわわわわ!




 きれいに掃除されたトイレにて、見ようによってはサイレント一人コントのようなものをナナが繰り広げていると、

 「おい、ナナ、」

 …びっくぅぅぅうう!

 ドアの外より、堂々とした声を掛けられた。

 「おまえやけに長ぇな、まさかオナってんじゃねーだろうな?」








 (どどどどどうしよう!?ノートをどこかに隠さないと!)
 とにもかくにも、ナナは焦りまくる。

 「返事しねぇなら蹴破るぞ?」

 ……ぇぇぇぇぇえええ!?

 このドアを蹴破ってくれたらさぞかしときめくだろうが、慌てふためいたナナはとっさにノートを服の下のお腹の辺りに入れ、

 「あのっ、薔っ!」
 「あ?」

 勢いよくドアを開け、叫んだのだった。

 「エッチしたいです!」





 ……なんともまあ、ストレートなお誘いがきたもんだ!







 「ふーん、」
 特にドアを蹴破る様子を見せていなかった薔は、妖しく微笑むと、

 「なら、来いよ。」

 廊下を歩きだす。


 「あっ、はい…」
 ナナが素直に、歩き出すと、

 「桜葉のノートはちゃんと置いてこいよ?」
 彼は言った。



 ……はい、ばっちり気づかれておりました。



 「す、すみません…」
 小さく告げたナナは、リビングのテーブルの上へとノートを置いてから、

 バスルームへと向かってゆきました。

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