※※第187話:Make Love(&Ride).109







 「汚れちゃい…ます…っ、」
 ナナは瞳を潤ませ、息を上げた。

 「汚れるだなんて俺は一度も、思った事ねぇけどな、」
 すぐ目の前で笑って、彼女を抱き寄せると、薔は肌へのキスを再開する。

 ゆっくりと撫でられる髪が、ゆびの動きに反応して艶めく。


 「あ…っ、あっ……あ、」
 嬌声は車内へと響き、吐息もリップ音も聴覚を撫で、

 「は……」

 キスをしながら薔は、背中から彼女のトップスを少したくし上げる。
 ゆびは腰へと食い込んで。


 「あ…っんン…っ、」
 首筋へと幾度となくくちづけられるなかで、服のうえから胸が揉まれだす。

 ナナはぎゅっと、敷かれた彼のジャケットを掴み、

 「硬くなってる、ほら…」

 衣服越しに乳首が擦られ、直に弄ってほしい気持ちも相俟って下着はどんどん濡れてゆく。



 「あ…っ、あっ…ん、」

 ビクッ…ビクッ…

 欲情は駆り立てられる一方となり、跳ねさすように躰をふるわせていたナナは、

 グイッ――――…

 トップスを捲り上げられ、ブラジャーのホックも外されてしまった。





 首筋へと吸いつくみたいにキスをされながら、露となった双丘が両手で愛撫されだす。

 「あ…んっ、……ダメ…っ、」

 やわらかく揉み上げられ、白い乳房へはゆびがそっと食い込む。

 「ほんとは気持ちいいくせに…」
 揉みしだき、薔は笑って吐息でも彼女の肌を撫で、

 「ここを弄ると…もっと感じるだろ?」

 キュッ――――…

 両の乳首を、ゆびで挟んで擦りだす。


 「あ…ああっん、ん…っあ、」
 ビクビクッ…とふるえたナナは、掴まるように彼のジャケットを握り締め、

 「は…ああっっん!」

 達してしまった。



 「俺の言った通りだったな?」
 達してしまってからも、薔は執拗に乳首を弄くる。
 摘まんでちょっと引っ張ったり、こね回しながら乳頭へ摩擦を与えたり。

 「は…っ、あっ、ちくび…っ、そんっ…な、弄っちゃ…っ、や…あっ……」
 悩ましげに躰を捩るナナは、艶めいたくちびるから淫れた息を上げる。
 それは次々と、車内へと昇り詰め、

 「じゃあ…舐めなくてもいいのか?」

 ゆびで擦りながら、薔は意地悪に確かめてきた。




 「や…っ、」
 気持ちよすぎてダメな気持ちは、冀うことを知っている。
 舐めて、甘く噛んで、口でもたくさん乱してほしい――――…



 「……っん、舐めて…くださ…っ、」
 ナナは甘えた声で振り絞り、

 「どっちから舐めてほしい?」

 谷間へと舌を滑らせ、薔はさらに彼女を誘い出す。



 「右がっ…い……のっ、」
 一心不乱に告げた後、

 「わかった…」

 …ッ…チュプッ――…

 右の乳首へ舌を這わされ、くちびるで包むようにして舐められていた。


 「あっ…あぁあん…っ、」
 躰を反らしたナナの項は、ひんやりとした窓ガラスへ触れた。

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