※※第186話:Make Love(&Spume).108








 大きく潮が吹いて、自らの脚や床を濡らしていった。

 「は…っん、あ…っ、」
 イキながらふるえているうちに、ゆびが抜かれてゆく。

 「あうっっ…」






 愛液は蕩けそうなほどに、彼のゆびに絡みついていた。


 「血と指だけじゃ…物足りなかったろ?」
 後ろからクイと顎を持ち上げ、くちびるをそっと撫でるようにしてから、薔は彼女の舌を中に入れはしなかったゆびで撫でる。

 「ん……」
 恥じらいながらも、ナナは素直に頷き、

 「なら、鏡の前で咥えて…」

 彼はゆびを離していった。













 ナナが跪くと、見下ろす薔は濡れたゆびを舐めた。
 ふたりは鏡を横にして、向き合っている。


 「視線はこっちの俺と絡めるんだぞ?」
 そして本日の指示では、ナナは鏡を見ながら扱かなければならないようで、

 「は…い……」

 吐息に混ぜて応えてから、ゆっくりと舌を這わせていった。

 「ん……」








 ナナは舌を動かしながら、鏡の中の彼へと潤んだ視線を送る。
 薔は鏡の中の彼女へ向かって、妖美な笑みを返す。

 「ん…っ、は…っ、」
 中をしきりに疼かせるナナは、丁寧に濡らすみたいに舌を這わせると、

 グププッ――――…

 「……っん、」

 咥え込んでいきました。










 ジュッ…グプッ…

 「ん…っく、ん…っ、」

 自分の口が彼のモノと一緒になって動く様まで、鏡に映し出されてしまう。
 鏡の中で視線が合わさるたびに、奥まで切ないふるえを感じる。


 「……っ、気持ちいいな…」
 薔はふと、躰をふるわせて、

 「ん…っは、んん…っ、」

 ナナはそんな彼がもっと見たくて、無我夢中になって吸い上げる。



 「……はぁ…っ、」
 息づかいは、バスルームへと昇るように響いて、

 「んぐ…っ、ん…っ、」

 扱くたびに乳房は揺れ動く。
 跳ね返る視線は、熱を帯びて絡まる。

 濡れた彼女の髪をやさしく撫でながら、鏡の中で甘く視線を合わせ、

 「かわいい」

 と、口だけ動かし微笑んだ薔は言葉にした。





 ドクンッ――――…

 「ん…っっ、」

 その瞬間に感じたのは、自分の鼓動か、それとも彼の鼓動か。
 わからなくなるほどに、互いに行為をむさぼった。

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