※※第186話:Make Love(&Spume).108








 脱衣室へ連れて行かれると、すぐにくちびるを奪われた。

 「……っん、ん…っ、」
 甘やかな声はすでに響いている。
 ナナはキスでもイけてしまいそうなほどに、欲情している。

 やわらかくくちびるを触れあわせながら、トップスがゆっくりと捲り上げられてゆく。


 「ん…っ、……あの…っ、」
 柔肌が徐々に露となり、彼にしがみつくようにしてナナは羞じらい、

 「おまえは脱がさねぇのか?」

 手を止めることもなく、薔は彼女を促す。


 「あ……」
 うっとりとした視線を送ってから、ナナは彼のトップスを捲り上げていった。




 ちゅっ…ちゅぷっ…

 「は…っ、ん……っあ、」

 互いの衣服を脱がしあいながらディープキスも惜しみなく。

 丁寧に脱がされてゆくと、行為の一つ一つが愛撫となり、ナナはいずれ脱がされてしまうパンツをずっと濡らしつづけている。

 床に散ってゆく衣服たちは、無造作であるが故に淫欲を高める。




 「もうびしょびしょだな…」

 最後の一枚、よく濡れたパンツを脱がされてしまうとナナは一糸纏わぬ姿となった。

 「ん…っ、だって…っ、」
 何か言い返そうとナナは試みたのだけど、荒くなる息が零れるだけで、彼の躰にものすごく興奮している。
 同時に、硬度にも。




 すでに愛液は、太股を濡らすほどとなっており、

 衣服を全部散らせた後には、ふたりは手を繋いでバスルームへと足を踏み入れた。












 裸体が映し出されてしまう鏡の前で、抱きあってキスを交わしながら穏やかなシャワーに打たれていた。
 シャワーの水音も細やかにバスルームへと響く。

 室内は濡れて温かみを増してゆくけれど、躰はもっとはやくに熱くなっていた。

 「ん……」
 漏らす吐息も声も、残響を帯びているのがとても卑猥で。




 「はぁ…っ……」
 ゆっくりとくちびるを離して見つめあい、シャワーを止めてしまえば、吐息はますます深みのある響きを奏でる。

 そしてまたくちづけを交わして、まずは髪から洗っていった。
 浴室にはシャンプーの、なんとも甘い香気が漂う。

[ 336/537 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る