※※第186話:Make Love(&Spume).108








 「えっ!?明後日はお出かけするんですか!?やったあ!」
 後片付けやなんかを終え、リビングにて寛ぎの最中ナナは喜びの声を上げた。
 わんこたちも、本日はリビングにてまったりしている。


 「残念ながら、二人っきりじゃねぇけどな。」
 薔は不服そうだが、嫁の父親の親友ということもあり無下にはできない様子だ。
 お出かけの目的はもちろん、エクストリームアイロニングの特訓です。


 「でも、薔と一緒ならすごく嬉しいです!」
 素直に告げたナナは、思わず、ふるりと中をふるわせた。

 ビクンッ――――…

 (あ…っ、どうしよう…)
 急に、大人しくなってしまう。
 焦らされてしまったため、我慢することによってパンツはずっと濡れていた。

 もっと、今伝えたい素直な言葉を、勇気を出して振り絞ってしまいたいがそれがなかなかできずにいる。




 ソファに並んで、黙って俯きもじもじし始めた彼女の様子に薔はくすりと笑うと、

 「……どうした?」

 あたまを撫でながら、やさしく問いかけてきた。




 「……あの……」
 ナナは上目遣いに彼を見てから、恥ずかしそうに視線を逸らし、口ごもる。
 キュンキュンと疼いてしまうソコをなだめるように、スカートを掴む。
 けれど彼に見られていては、何をやっても逆効果にしかならない。


 「……えっと、」
 濡れてしまってどうにもならず、ナナは小さな声で言葉にした。

 「えっち……したい…です……」

 視線は、逸らしたまま。


 それを逆手に取り、耳もとへくちびるを寄せた薔は妖しく吹きかけてくる。

 「聞こえねぇよ…」









 これだけ近ければ聞こえているはずなのに、触れた吐息や意地悪さにまた躰はゾクゾクとしてしまう。

 「あの……」
 だから引き寄せられるように、潤んだ視線を彼へと送り改めてナナは言葉にした。

 「薔とえっちしたいです…」

 声が聞こえるよう、でも恥ずかしいため吐息混じりのいやらしい大きさで。



 「ふーん…」
 不敵な笑みを浮かべ、薔は彼女のくちびるをゆびで撫でる。

 「今度は上手にできたな?」

 そしてくちびるのすぐ近くで、囁いた。




 「あ……」
 今にもくちびるは触れあいそうで、ナナはひどく高揚する。
 もう待ちきれなくなっている。

 ところが、吐息で触れた後またくちびるは離れていってしまい、

 「…――――おいで?」

 焦れさせて微笑むと、薔は彼女の手を取った。



 「はい……」
 欲しくて泣きそうなナナには全てで従うことしかできない。

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