※※第165話:Make Love(&Shame).93
「ハハハハハリーさん!?」
ナナは真っ赤で振り向き、
「何でいんだ?」
ふたりっきりの時間を邪魔された薔の雰囲気はやや険しいが、旦那さんには全く悪い気がしていない。
「ヒューヒュー!仲良し夫婦デスネ〜!」
「ハリーさんてばーっ!」
ハリーは真っ赤な蛇の目傘をさしており、粋な上にかなり目立っておる。
「その節ハ〜、ワタクシを立派な男にしていただキ、誠にありがとうございマース!」
「そうだ!ハリーさん、おめでとうございます!」
「HAHAHA〜!照れマース!」
鼻おじさんが礼を述べると、傘も傾きばしゃっと飛んだ水滴は鼻おじさん自身にだいぶ掛かって、ナナはとたんに祝福モードで、
「そこデ〜、キューピッドのお二人サンに是非ともお願いしたいことがございましテ〜、」
牧師さんのような服の膝から下をびしょびしょにしたハリーは、照れながらこんなことをお願いしてきた。
「ワタクシと実穂子サンの結婚披露宴デ〜、余興をしてほしいのデース!」
と。
「よきょう…?」
ナナは、キョトン。
「やるわけねぇだろ。」
薔の雰囲気はかなり険しくなった。
「お願いしマース!お二人には喉から手が伸びるほどに願いしたいのデース!」
ハリーは、ウルウルと泣き落としにかかる。
第一にまだ招待状も届いてはいないのだけど、
「そこまで言うのでしたら、薔とわたしでやらせていただきます!」
余興が何なのかよくわかっていないナナさんが、引き受けちゃった。
「おい、勝手に引き受けんな。」
「いいじゃないですか!一緒にやりましょうよ!」
「マサの娘さんの旦那サーン、お願いしマース!」
薔は心底やりたくない様子だったが、ナナの上目遣いの“一緒にやりましょう”とハリーの“旦那さん”により、
「…仕方ねぇな、」
渋々、承諾してくれた!
「ありがとうございマース!」
「よきょうって何をやるかわかりませんけど、楽しみです!」
歓喜に満ちる、ナナとハリー。
「その代わりおまえ、帰ったら只じゃ置かねぇかんな?」
「ほええ!?」
「ヒューヒュー!」
だけどナナさんはやっぱり、彼をムラムラさせちゃったようだ。
……ちなみに、披露宴の余興で盛り上がるポイントには、幅広く楽しめることや本格的で簡潔になどが上げられますが、
ムービー作成とかで本格的なのを狙うならね、得意そうなかたがばっちりおりますよね!
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