※※第186話:Make Love(&Spume).108
「……っん…は、あ…っ、」
血の味を感じられなくなってからもしばらくしゃぶりついていたのだが、ゆびはとうとう抜かれていってしまった。
細く糸を引く唾液にも赤は少しも混ざってはおらず、
「ん……」
彼の手を両手で持ち、くちびるで追いかけるようにしてナナはそれを吸い取る。
「…――――やらしいな、おまえ…」
無自覚だからたちが悪い、彼女の仕草にゾクゾクとしてしまった薔は手を離し、クイと顎を持ち上げると、
…ッ…くちゅっ…
キスを落とした。
ナナはくちびるを開いていたため、キスはいきなりディープに始まった。
「ん…っ、は…っ、」
あたたかく、やわらかく、舌で舌を絡められる。
今度はくちびるへと吸いつくように、夢中になってゆく。
時折漏らす吐息は熱く、乱れた息づかいが合わさることに興奮する。
「ん…ン…っ、」
ふるえたナナは、恥ずかしいくらいに濡れてしまったパンツの中で思わず秘部をもじもじさせていた。
「は…っ、あ……」
舌で鳴らす音たちは、猥らな湿り気を帯びている。
そして息も声も、甘く。
ゆびの背で撫でられる髪が心地よさげに揺れ、片手で抱かれた腰にはそっとゆびが食い込むほどで。
「……っん、は…っ、」
視線を交えながらゆっくりとくちびるが離されてゆけば、蕩けてしまいそうな唾液が糸を引いた。
だからまた、やさしく吸いつくようにくちづけられた。
離された瞬間に、艶めいたリップは微かに弾む。
「は……っ、……はぁ…っ、」
荒く息をするナナはこのまま、あちこちを触られ彼にどこまでも乱されてしまいたい気持ちでいっぱいだった。
ぎゅっと、その想いを伝えるように彼の服を掴む。
するとその想いは、ひしと伝わったのであろう、
「腹減ってるだろ?」
やさしくあたまをよしよしした薔は、それ以上彼女を乱そうとはしなかった。
「おまえも手伝えよ、」
「あ…っ、はい……」
そう言われてしまうと、とてつもなくじれったい心持ちのままナナもお手伝いをするしかなくなる。
慌てて腕捲りをした彼女を、薔はどこか愉しげに笑って見ている。
お見通しなんだな……と、思ったナナはそれでも、おねだりするわけにもいかずお手伝いに集中しようと努めだした。
躰は正直者で、治まらない秘部は未だに深くまでを疼かせている。
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