※※第183話:Make Love(&Vehemence).106
ナイトテーブルのうえへと、髪飾りは置かれた。
しかしデジカメは、もう少し近く、傍らへと置かれる。
「おまえの肌って、見てるだけでキスしたくなるんだよな…」
ドレスから大胆に出た肩へと、薔はキスをし始める。
「ん…っ、……あっ、」
ナナは彼へと、ぎゅっとしがみついて、
「なぁ、」
今度は右の耳へくちづけて薔は少し息を乱した。
「このネクタイ…解いてくんねぇか?」
「あ…っ、は…いっ、」
キスをされながら、ナナは気持ちよさにふるえてしまう両手を黒いネクタイへと伸ばす。
「熱いんだよな、おまえに触れてるせいで…」
肩へやわらかく、ゆびが食い込むほどに薔は彼女の肌を撫でて、キスもやさしくつづける。
「ん…っ、あ…っ、」
緩めるだけでも興奮して、さらに両手はふるえたが、ナナは何とか彼のネクタイを緩めていた。
緩めてから、慎重に、愛おしげに解いてゆく。
「それから…ベストとシャツのボタンも外せよ?」
濡れたような声で、吐息のように命じて、薔はゆっくりと、背中のファスナーを下ろしてゆく。
「はい…っ、ン…っん、」
ナナは解いたネクタイをそのまま留め、彼のベストのボタンは全部外してしまってから、シャツのボタンもいくつか、ちょっと手こずりながらも外してゆく。
互いの体温は、ひしと伝わりあうなか、
「はぁ――――――…」
深く息をした薔は彼女の躰を抱いて撫でるみたいにして、ドレスをウエストの辺りまで下ろしたのだった。
「あ…っ、あ……」
汗ばむ肌と、ストラップレスブラが露となり、ナナは恥ずかしそうにそっと彼のシャツから手を離す。
「……外しすぎじゃねぇか?」
緩められたネクタイは留まったままだが、シャツはかなりはだけて乳首まで覗かせ、笑った薔はいったん躰を起こした。
「まぁいいか…」
そしてシュルリと、ネクタイを引き抜く。
「は…あっ、あ……」
ナナはうっとりと、視線も、何もかもを奪われてゆく。
彼は躰を起こしたまま、淫されてゆくナナの姿をまたしてもカメラに収めると、
「次はおまえに結んでやるからな?」
再びデジカメを傍らへと置いて、彼女の手を取った。
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