※※第182話:Make Love(&Oral tradition).105







 ズッ――…

 ほんとうにゆっくりと、挿入されてゆく。


 「あ…っ、」
 真依はきつく、彼の腕を掴む。

 「痛くない?大丈夫?」
 髪を撫でて、突き進める屡薇はやさしく問いかけてくる。


 「い…っ、痛いって言っても…っ、止めないくせに…っ、」
 泣きながら、お見通しの真依は彼を見上げている。
 「それは真依さんが本気で痛がってないからだよ、」
 しかし屡薇は一枚上手か、汗を流しながらも根気強く、挿入してゆくと、

 「好きで繋がるんだから、ちょっとの痛みくらいなら我慢できるよね?」

 しっかり嵌めてしまってから、またしてもなかなか爽やかに微笑んだ。




 「もうあたし…っ、屡薇くんのバンドのCDっ、買わない…っ、」
 「え〜、DVDとかは?」

 真依はプイッと顔を逸らしたが、中を擦られビクンッと躰を反らした。

 「あ…っ、あっ……」






 「うわっ、真依さんの中よく締まるっ……」
 緩やかに腰を動かし、屡薇は彼女の両手へと両手を重ねる。

 「ん…っ、あっ、恥ずかしっ…てば…っ、」
 ふたりはゆびとゆびと絡め、互いの感覚をひしと感じていた。



 ギシッ…ギシッ…

 彼のベッドが、軋んでいる。


 「あ…っ、あ…あっ、」
 首筋へとキスを落とされ、甘やかな声を上げていた真依だったが、

 「俺たちひとつになれちゃったね?真依さん、」

 不意にくちびるを、奪われていた。

 チュ――――…




 「ん…っ、ん…っ、」
 しがみついて、真依は彼の背中へとゆびを立てる。
 細い細いと思っていたが、案外躰つきはしっかりしていた。

 キスの最中、うっすらと瞳を開けば、薄明かりに照らされた屡薇の金髪に彼女は目がくらむほどだった。



 「……っんっっ…」
 ディープキスを交わしながら、今までに感じたことのない感覚が押し寄せる。

 最初は躊躇った真依だったが、その感覚にはどうやっても逆らうことができず、

 「んっっ!」

 自分でもよくわからないまま、達してしまった。



 「……っ!」
 直後に、屡薇は避妊具の中へと放ったようだ。

 「気持ちよかったね……」
 真依が熱を感じている隙に、彼はゆっくりと抜いていきました。





 「は…っ、はぁ…っ、」
 真依はぐったりと息を乱し、屡薇はコンドームを処理してしまうと下半身の衣服を整え、

 「じつはもう一回したいけど、とりあえず余韻ね?」
 「はぁあ…っ?」

 乱れていた毛布を彼女にかけて、おでこにキスをしたのだった。


 「ところで、ほんとにもうCDは買ってくんねぇの?」
 「いや…、買うけど……買うなって言われても買うけどさ……」
 「よかった。」

 ちょっと呆れてしまった真依ではございますけれど、なんだかんだで気持ちよかったため内心ではかなり彼にメロメロです。
 決して言いはしませんが。

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