※※第182話:Make Love(&Oral tradition).105







 「あっ…っ!」
 入り込むゆびの感覚に、真依は悩ましく躰を捩らせた。

 「痛かったら…言って?」
 ゆびさきで捉えた処女膜を、屡薇は開かせ始める。


 「ちょっとそこ……痛いっ……」
 真依は素直に、彼へと訴え、

 「あ、ごめん、ここだよね?ゆっくりやるね?」
 躊躇いはせずに、動きを緩めて屡薇はゆびを動かす。




 (お姉ちゃんともこんなエッチ、してたのかなぁ――――…)
 中を解されながら、真依はふと、思ったのだった。

 (なんかすごく悔しいけど……お姉ちゃんだから、いっか……)







 「入ったよ?」
 辛抱強く、ゆびを入れてしまうと、屡薇は少し中を擦り始めた。
 「そんっ…なの…っ、わかって…るっ、ん…っ、」
 聞こえてくる淫音が、自分の躰から出ているものだとはまだ信じられないけれど、彼のゆびの感覚は何よりも確かだった。

 「ん…っあ、屡薇…く…っ、」
 甘ったるく声を上げた真依は、彼へとしがみつく。

 「今日は挿れる前に出したくねぇんだけど…」
 自嘲気味に笑った屡薇は彼女の背中をさすって言った。

 「もっと甘えてくれてもいいよ?」






 そう言われると甘えたくなくなるのが、真依の常で、

 むぅっ…

 とした彼女は、

 「生意気…っ!」
 「わ…っ、ちょっと…っ、」

 ぎゅむっと彼にきつく、しがみついた。
 屡薇にはしばしの、呼吸困難が訪れる。


 「あー、びっくりした…」
 いきなり強くしがみつかれて、驚いた様子の屡薇は彼女の腕の力が緩められるとさっそく、

 「もういいかな…」

 ボトムスのポケットから、真新しい避妊具を取り出した。



 「なんでっ……コンドーム……」
 用意周到さに真依は真っ赤で唖然。

 「下心があったからに決まってんじゃん?」
 あっけらかんと笑った屡薇は、ゆびを抜いてゆく。

 「ん…っっ、」
 抜かれてしまう感覚に、不覚にも真依は物足りなさを感じていた。


 「俺さ、玩具とかも好きだから用意してあんだけどさ、」
 そして屡薇はトップスを脱ぎ捨て、露にした自身に封を破いた避妊具を素早く被せて微笑んだ。

 「それはまあ、おいおいとね?」






 「この状況でっ、その台詞で…っ、爽やかに笑うなぁ…っ!」
 「あれ?珍しく俺、爽やかだった?」
 真依は必死で、照れ隠し。


 やがて、

 グッッ――…

 入り口へと、当てがわれたのだった。

 「……挿れるから、力抜いてて……」

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