※※第181話:Make Love(in Landing).104








 授業内容などはご多分に漏れず割愛させていただきます、放課後です!


 それぞれに生徒が、気合いを入れて部活へと向かった頃。


 フフフフフ…

 とある高校の校門付近で、他校の生徒が誰かを待ち伏せしていた。
 なかなかイケメンなその男子生徒は、自分はイケメンなのだという自覚があると思われる格好で愛羅を待ち伏せしていたのだ(またこれ始まったよ)。


 なかなかくんは、通りすぎてゆく生徒たち、特に女子生徒は皆こちらを見ているものだとかなり意識して、曲げた左足を突いて後ろの壁へと寄りかかっていた。
 浮腫が気になるお年頃なのかもしれない。

 無論、みんな見てはおりません。


 しかし本日は、羚亜と愛羅は共に下校をしないようなので、この状況は果たして大丈夫なのだろうか?














 ――――――…

 「あれ?今日は部長さんはお休みなんですか?」
 部室入りしたナナはまず、そのことに気づいたようだ。
 いつもの大笑いが始まらないため、否応なしに気づくことになるのかもしれないが。


 「いや、なんか部長は…、iPodを忘れたとかで…取りに戻ったようです……」
 「あいぽっと…?」

 ……ぽっど、だよ。




 「ならすぐに始められそうだな、」
 台本を手に、さすがの薔はそう覚ったようだ。

 ところが、

 「ダメですよ!部長さんがまだ揃ってないんですよ!?」
 ナナがすぐさま、制止した。


 「…だから始められんだろーが、」
 「ダメですって!部長さんは、演劇部の部長さんですもん!」
 台本を手に、ここはまさしくふたりっきりの世界だ。


 (まるですでに始まっているようです…)
 周りはうっとりと、幻のライトさえもその目に映すことができていた。



 「っとにおまえは、優しいな。」
 「んえっ!?」

 さりげなく褒め称えられたナナは、真っ赤っかとなった。
 思わず台本を落とす勢いで。


 周りがたいそう惚れ惚れしているところで、

 校門での風景にまいりましょうか。

[ 257/537 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る