※※第178話:Make Love(&Punishment game).101








 「ど、どうぞ…」
 ナナはよく冷えたミネラルウォーターのペットボトルを、彼へと差し出した。

 「そうじゃねぇだろ?」
 ソファにふんぞり返って、薔は彼女を促した。

 「おまえの口を使えって…俺は言ったよな?」










 「あああっ!」
 思い出せたナナは、瞬く間に真っ赤となった。
 ペットボトルを床に落とさなかったのが幸いである。

 ……と言うことは無論、

 口移し、であります!



 「どーした?早くしろよ…」
 薔はただいじわるに笑って、彼女を促すだけで、

 (うううっ…恥ずかしいよ……)

 きゅぽんっ…

 ナナはペットボトルの蓋を、ふるえる手で何とか開けたのだった。







 澄んだ水を恐る恐る口に含むと、ひんやりとした感覚が火照った頬に少し気持ちがよくて。

 ギッ――――…

 ナナはソファに座る薔の上へと座るようにして、彼の肩に両手を置いた。

 ……早くしないと、せっかく冷えていた水があたたかくなってしまう……



 という想いもあって、恥ずかしくて仕方ないのだけどナナはおもむろにくちびるを近づけていき、

 ちゅっ…

 「ん……」

 彼のくちびると重ねた。




 コクッ…

 水を口移しで流し込むが、なかなか上手くできない。
 どうしても零れてしまう。
 水はまだ冷たいのに、重なるくちびるが熱い。


 「ん…っ、……はぁ…っ、」
 流し込んでからゆっくりと、濡れたくちびるをナナが離してゆくと、

 「零したやつは、ちゃんと舐めるんだぞ?」
 腰を抱いて薔は彼女を引き寄せた。


 「あ…っ、すみませっ……」
 息を乱し、ナナは再び彼へとくちびるを近づけていって、

 「……っん…っ、」

 ペロッ…

 伝い落ちた水を、舐め取るように舌を這わせた。



 甘い匂いがして、どうしたらいいのだろうか躰はひどく痺れ、興奮している。

 チュッ…ピチャッ――…

 「は…っ、ん…っ、」

 一所懸命に彼の肌を、ナナはまるで猫のように舐めていった。







 「……もっと欲しい、」
 やさしく髪を撫で、薔はさらなる口移しを求める。

 「は…い…っ、……ン、」
 ナナは片手で彼に掴まったまま、振り向いて手を伸ばし、テーブルの上にあるペットボトルを取ろうとした。


 その瞬間、

 …ッ…くちゅっ…

 いきなり首筋を舐められちゃったのだ。


 「ひゃっ…っ!?」

 驚いた、それ以上に気持ちがよくて、届きかけていた手は呆気なく宙を掴んだ。


 「あ…っあ、な…っ、なにを…なさっ…っ?や…っ、あ、」
 感じてふるえながら、声は上擦ってしまい、

 「ん?あぁ、ここにも零れてたんだよ、」
 首筋から離したくちびるをいやらしく舐めて、薔は笑った。

 「それより…早く寄越せよ、おまえの水…」







 「ん…っ、あ…っ、」

 やり直しとなったナナは、再びペットボトルへ手を伸ばした。

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