※※第164話:Make Love(&Sex aid).10







 ほんのり夕陽に染まる寝室へと足を踏み入れたとたん、再びのキスは始まった。

 「……っん、」
 うっとりとナナは彼に身を預け、

 バサッ…

 脱がされたブレザーが床へと落ちる。




 ちゅっ…ちゅ…

 「ん…っ、ん……」

 ベッドへと向かいながら何度もキスを交わし、薔もブレザーを脱ぎ捨てると、

 ドサッ――――…

 ふたりはベッドの上へと重なった。

 「……っ、は…っ、」
 弾みで離れたくちびるから、乱れた吐息が漏れる。





 「舌入れるから口開けな?」
 ネクタイを解きながら、見下ろす薔は不敵に微笑み、

 「は…っ、…あっ、」
 従うしかないナナはおもむろに、口を開く。


 解けたネクタイは、床へと散り、

 「そしたらいっぱい絡めようか…」

 キスはディープとなり、続行されました。

 くちゅっ…










 「ん…っふ、ぅん…っ、」
 繋げた口内で、伸ばす舌と舌が艶かしい動きと共に音を聞かせて絡まる。

 しなやかに髪を撫でる手が、首筋へと伝い制服のリボンに触れた。


 シュルッ…

 そのまま、そっと解かれる。


 ちゅくっ…ちゅぷっ…

 「んんん…っん、ふ…っ、」

 深く滑り込ませ、撫でるように抜いて、やわらかく歯齦をなぞって躰をふるわす、気持ちよさを知り尽くす舌はさながら自由自在だ。
 動きが合わされば、呼吸も合わさる。
 速くなるばかりの鼓動すら、合わさっているみたいだ。


 左右に分かれたリボンは、ふわりと垂れて、

 「はっ…ん、んん…っ、」

 感じるナナは靴下を履いたままのつまさきで、ベッドを徐々に乱しゆく。


 「は……ぁっ、」
 やがて舌は抜かれ、くちびるが離されてゆくと唾液は細く糸を引き、

 「は…っ、はぁ…っ、」

 熱い息を上げ見上げるナナの顔は、先ほど以上に蕩けてしまっていた。



 ちゅっ…

 今度はやさしく短いキスを、くちびるに落とすと、

 「俺もおまえに見つめられると、熱くなって抑え利かなくなんだよな、」

 笑った薔は微笑み、吐息まで落としたのだった。

 「まずは玩具でこの躰、熱くしてやるよ…」

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