※※第177話:Make Love(&Make Love!).9








 チュ――――…

 「……んぅ…っ、」

 こけしちゃんと醐留権のくちびるは、やわらかく重なった。
 ここのところプライベートではゆっくり会えなかったこともあり、キスだけで躰は瞬時に火照りだす。

 「んぅ…っン、……ん…」

 ふたりは抱きあってキスを交わしながら、大きなベッドへとじわじわ近づいてゆく。
 くちびるを動かせば時折、まつげが眼鏡に擦れてしまうのがくすぐったくて気持ちいい。



 「はぁ……っ、」
 ふと、くちびるが微かに離された瞬間にこけしちゃんは熱く吐息を漏らして、ふたりの視線は甘く交わり、

 …ッ…ちゅくっ…

 さらにつよく抱きしめると、醐留権は舌を入れてきた。

 「んんうぅ…っ、」







 感じてしまい、ふるえたこけしちゃんの躰はそうっと、

 ギシッ…

 ベッドに座らされる。

 ちゅくっ…ちゅぷっ…

 絡まる舌と舌が、いつも交わる部屋とはまた雰囲気の違う部屋へと、彩るかのような卑猥な音を響かせ、

 「んぅぅ…っ、ん…っっ、」

 顎を少し持ち上げられたこけしちゃんの口内、さらに深くへと醐留権は舌を忍ばせてくる。



 くらくらと、感じる目眩にすら陶酔して、彼女のやわらかな髪へは男らしいゆびが絡み、そっとやさしく撫で落ちていった。















 ――――――――…

 「あ…っ、あ…のっ、……薔…っ、」
 ふるえたナナは、火照った顔で、彼の服をぎゅっと掴んでいた。

 「ん?どーした?」
 薔は特にどうということもなく、平然と返してくる。


 まだ動いてはいないのだけど、リモコンバイブの存在は膣内にてどんどん確かとなり、

 「これじゃ……お出かけ、できませんっ…よ……」

 ナナは俯き加減に、瞳を潤ませ甘ったるく訴えてみた。

 正装というわけでもなく、軽く身支度を済ませたふたりはこれから、リビングを出て玄関へと向かうところだ。




 彼女の訴えに、薔はくすっと笑うと、

 「……大丈夫だ…自信持てよ、おまえは誰よりも従順だろ?」

 そっと、いやらしく、吐息で愛撫するように、呪文よりも遥かに手強い耳打ちをしてくる。

 「俺だけのもんだから…、その可愛くてエロい顔も、声もぜんぶ…」






 「…そしておまえはその事を、ちゃんと知ってる……そうだよな?」









 「は…い……」
 ナナは上目遣いでとても恥ずかしそうに彼を見て、素直に応える。

 「だったら、いい子に我慢くれえ訳ねぇだろ?」
 薔はやさしく、彼女の手を取ると、

 「行こうか、ナナ…」

 微笑みかけたのだった。






 「は…っ、はい……」
 従うしかなかった。
 だって、ナナは彼だけにどこまでも従順なのだ。

 薔の言葉が、彼女に不思議な自信を与え、同時に蕩けそうな快感を連れてきた。
 自信と快感の相乗効果では、今は困るはずなのに。
 ひどく感じてしまっている、感じながらも全力で恭順。




 歩くとやはり玩具は中で動いて、誘い出す蜜を絡め取った。

[ 201/537 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る