※※第176話:Make Love(&Manacle).100







 「見んな。」
 「なぜにですかーっ!?何でしたら写真も撮っちゃいますよ!」
 「駄目に決まってんだろ?」

 照れる薔に萌えるナナが迫る。

 ……この状況はちょっとした形勢逆転なのか?





 「いいじゃないですか!ちょっとくらい!」
 萌えに萌えまくるナナは、鼻息まで荒くしながらだんだんと勢いを増し、

 「あー、ったく…」

 ぐいっ

 あたまに置いていた手を後ろへ回すと、いきなり強引に薔は彼女の顔を引き寄せた。






 チュ――――…

 「……っん、」

 そのままやわらかくくちびるは重なって、ナナの躰は甘い匂いにふるえる。


 「は……」
 ゆっくりとくちびるが離されてゆくと、先ほどまでとは違った感覚で頬を火照らす彼女を見つめながら、

 「…移してやった、」

 薔は不敵に微笑んだ。





 「あ…の……」
 恥じらうナナはとたんに大人しくなって、照れたようにもじもじしだし、

 「でもまぁ、」

 彼はキスを深めて続行したのだった。

 「おまえにはもっと恥ずかしくなってもらうけどな…」










 …ッ…くちゅっ…

 「ん…っ、ふ…っ、」

 絡まりだす。
 舌が音を響かせる。


 ギッ…

 ソファは僅かに軋んで、

 「……っ、は…っ、」

 時折、とろけそうな視線まで絡めていきました。















 ――――――――…

 「ゾーラ先生ぇとデートもぉ、久しぶりだねぇぇ?」
 にっこにこのこけしちゃんと醐留権は、ひとまず夕食のためレストランへと向かっておりました。

 「今夜は久しぶりに、目一杯桜葉に癒してもらおうか。」
 運転に集中しながら、醐留権は笑っている。
 今年度から担任に昇格したこともあり、なかなかゾーラ先生も忙しいのでございます。


 それをちゃぁんとわかっているこけしちゃんは、

 「彼氏じゃなくていいのぉぉ?」
 「あはは、さっそくそうきたね。」

 まずはお約束の妄想ネタを。
 じつは久しぶりのデートでドキドキィもいいところなのでございますけれど。




 車窓から流れゆくネオンを眺める振りをして、こけしちゃんはドキドキィを隠そうともじもじしている。
 ドキドキ隠してもじもじ隠さずの状態となっております。
 醐留権はそんな彼女の姿をとても微笑ましく感じている。

 細い月はより一層くっきりと、夜空に浮かんでいた。

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