※※第176話:Make Love(&Manacle).100








 「えーっ!?姉ちゃん出かけるのお!?」
 帰宅してから念入りにお洒落をして、ルンルゥンと出かけようとしているこけしちゃんへと司がひどく残念そうな声を掛けてきた。

 “何も言わずに行かせてやれよ、”
 司に抱っこさせてあげているゲイちゃんは、大欠伸。


 「そうよぉぉ?何なら司も慎くぅん家に行ってぇ、朝帰りしてもいいのよぉぉ?」
 「おれよくわかんなーい!」

 腐のためなら小学二年生の弟に対してもだいぶ寛容になるのがこけし姉さんでございまして、

 「行ってきまぁすぅぅ。」

 にっこにこ極まりなくお出かけしていきました。


 「行ってらっしゃぁぁいぃぃ。」
 夕食の支度中な母がニコニコとキッチンから顔を出すと、娘はすでに出かけた後だった。




 「母ちゃーん、ゲイちゃんが腹減ったってえ!」
 “おれはそうでもねぇよ、”

 司はゲイちゃんと共に、明るいキッチンへと入っていきました。








 頬を赤くして外へ出たこけしちゃんは、にこぉっと笑うと慎重に辺りを確認してから、

 バタン――――…

 家の前に停まっていた黒いベンツへと乗り込んだ。

 細い上弦の月が浮かぶ残照の中を、車はゆったりと発進したのだった。

















 ――――――――…

 「いっぱい撮れましたよ、写真!」
 激写しまくったナナさんは、ホクホクと自分の携帯電話を眺めておりました。

 「良かったな、」
 ソファに並んで、笑っている薔は彼女のあたまを撫で撫でしている。




 花子と豆はお部屋で寛ぎタイムで、ナナと薔もリビングにてまったりしておりまして、

 「それにしても…、あの時の薔のお姿も、写真撮りたかったですよ……」
 「いつのこと言ってんだ?」

 あたまを撫でられながら、携帯をテーブルにそっと置いたナナはうっとりとはにかんで告げた。

 「あの…、助けに来てくださった時に、あんなにも嬉しいことをいっぱいおっしゃってくださるとは…、思いませんでしたもので……」

 と。







 すると、

 「ばか…、言うな…」

 意外な反応か、薔は彼女のあたまに左手を置いたまま、右手を顔に当てるとめっちゃ照れたのだ。

 「あれ…、今思い出すとすげえ恥ずかしいんだよ……」









 ……えええええええ!?か〜わ〜いい――――――――――っ!

 いーっ、ぃーっ…(※萌えはやがて銀河へと…なエコー第二弾)

 萌え悶えもいいとこのナナさんは、思わず声が裏返っちゃいました。

 「ちょっとーっ!お顔見せてくださいよーっ!」

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