※※第176話:Make Love(&Manacle).100







 帰宅してすぐに花子と豆のお散歩に出掛けました。
 豆は一日ぶりの花子とのお散歩に大喜びでございます。
 この頃は次第に空が赤く染まりゆく時刻で。
 景色や雰囲気も堪能しつつ、終始さんにんとたまに豆サイズの世界全開でしっかりお散歩を終えてからは…、


 きゅぴーん

 とする花子を、お風呂に入れてあげることと相成りました。
 雨のなか懸命に道案内をしてくれたので、念入りに洗ってあげないとね。






 「花子ちゃんはいい子だねーっ!」

 花子はもとからお風呂が大好きで、大人しくわんちゃん用のシャンプーで体を洗われていた。


 「花子だからな、」
 体を丁寧に洗ってあげているのは薔で、ナナは専ら見学と萌えに徹しており、

 “ナナちゃん、ごめんなさいね?今だけご主人さまの愛撫は私のものよ?”

 花子もとっても気持ちよさそう。




 “わーい、おやつ!”
 豆もおやつを食べながら見学。





 ここらで、ナナはとうとう、

 「ちょっ、ちょっと、写真撮りますんで、そのまま可愛くしてらしてください!」
 「何だ?それ、」

 いてもたってもいられなくなり、いそいそと携帯電話を取りに行こうとした。





 ところが、

 どてっ!

 萌え悶えすぎたため、脱衣室を出てすぐに彼女は廊下で転んだ。

 「おい、大丈夫か?」
 花子への愛撫はいったんお預けで、薔はナナへと駆け寄る。


 “ウフフフフ…”
 花子はお利口さんに待機。




 「わたくしは大丈夫ですので、どうぞ、可愛くしてらしてください!」
 「次転んだら撮らせてやんねぇぞ?」
 「かしこまりましたぁ!」
 転んだことなど何のそので、ナナはまた敬礼をしてからリビングへと向かって行ったのでした。
 今度は転ばないようにと、きちんと気をつけながら。


 “花子ちゃん、あそぼ!”
 “今はまだダメよ?”
 おやつそっちのけとなった豆は、どうやら花子にかまってもらいたくて仕方ないらしい。

[ 189/537 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る