※※第176話:Make Love(&Manacle).100









 さあ、お昼のお弁当も済ませやってまいりましたは、

 放課後でございます!




 ナナと薔は本日はばっちり、演劇部の活動に参加していた。
 ギャラリーさん方もばっちり高揚のなか集まってきております。



 「あ〜っはっはっはっはっはっはあ!」
 「部長!窓の外に向かって大笑いを響かせるのはやめてくださいよ!」
 「あははははははは!お腹痛くてどうしよう!」

 ここでもやはり反動であろう、和湖部長の笑い声は校舎の外にまで高らかに響いていた。
 部員くんらが止めに入るも部長さんの大笑いは止まらない模様だ。
 よって、未だ劇の稽古には入れていない。



 「………………。」
 待たされているナナはキョトン、薔はかなり呆れかえっている。






 「良かったよ…、三咲さんが来てくれてほんとうに良かった…」
 と、じつにしみじみとしているのは、昨日の稽古でナナの代役をしていた先輩で、

 「あの距離は心臓もたないわ…、にしても、めっちゃいい匂いだった…」
 「わかる…あんたずるいわこの……」

 周りもしみじみしだす。




 ……はわぁぁぁぁぁあああ!
 そういえば!

 ここでナナさんは、昨日の放課後の流れを思い出せたようだ。



 「薔のバカ――――――っ!」
 「あ?」

 とたんに憤慨しだす、ナナ。

 (…いきなり喧嘩が始まった!)
 周りの震撼、再来。





 「わたし昨日、ちゃんと練習しようと思って来たんですよ!?なのにっ、ひどいじゃないですかーっ!」
 台本を真っ二つに引き裂く勢いで、泣きそうになりながらナナが声を張り上げていると、

 「……ごめん、」

 彼は素直に謝ったのである。




 ……ええええええ!?
 “ごめん”!?

 周りの赤面と震撼も相当。






 「あっ、はい…、あの…よくよく考えましたら、わたしこそ…」
 ナナの怒りはとたんに治まり、泣きそうな気配はどこへやら。


 やけに神妙な彼の雰囲気に頬を赤くして、彼女が慌て始めるなか、

 「俺なんおまえからしてみりゃ…、“クソバカやろう”だもんな?」

 やや俯き加減で薔は言ったのでした。

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