※※第176話:Make Love(&Manacle).100








 「こけしちゃ――――――――――ん!」
 ナナは教室へと辿り着いたとたんに、親友へとひしと抱きついた。

 「昨日はほんっっとうに、ありがとうっ!」

 と。



 朝からにっこにこ極まりないこけしちゃんは、ナナの背中を撫でると、

 「ナナちゃぁん、」

 おっとりと言いました。

 「あたしはねぇ、長生きしたいんだけどぉぉ。」







 「うん!わたしもこけしちゃんには長生きしてほしいよ!」
 「それならぁぁ、朝からこのあつぅぅい抱擁はぁ、ちょぉっと危ないかなぁぁ?」
 「えええ!?どういうこと!?」

 ……後がこわいって意味でからかっているということだよ。



 (くっ…!朝からいいもの見れた…!)
 様子を窺いにきたあかりだったが、抱きあう乙女たちを涎を垂らさんばかりにして凝視してから安心(満足か?)して教室へと戻っていきましたとさ。








 キーンコーン――――…

 やがてホームルームが始まると、

 (何か、すごい殺気?を感じる…!)
 2-5の皆さんは、手に汗握っちゃってたり。


 (みっ、三咲はとうとう、暮中とクラスが離れたことを根に持ち始めちゃったのかーっ!?)
 慌てふためき口をパクパクさせる吉川先生。




 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!

 という音こそ聞こえてきてはおりませんが、ナナは未だ怒髪天を衝く勢いで副担を睨んでおりました。
 思い出すほどに腹が立ってきてしまうのは、今はどうしようもない。

 教室は何事かと震撼している。




 (オレ、大人しくしてよう…)
 勇真はひたすら縮こまっていた。
 醐留権に厳しく説教をされた彼は、本日は伊達眼鏡を掛けてはおりません。




 (あぁぁ、また見たいなぁぁ、ゾーラ先生ぇのかぁっこいい説教ぅぅ…)
 妄想無事復活のこけしちゃんは、うふふぅぅと腐的な思いを馳せている。

 (今度は是非とも彼氏相手にぃ、激しいやつをお願いしたいなぁぁぁ…)

 こけしちゃん、じつにうっとり。




 (隣が、熱い…!)

 やや懐かしき草先くんは、とりあえず隣の席を見ないようにしていた。






 ……何とも平和な日常が、戻ってまいりましたよ!

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