※※第174話:Shout of Love.1








 …ッ…ちゅくっ…

 「……っん、」

 押し倒されてからは徐々に、キスはディープとなっていった。

 手首を掴んでいた手は、手のひらへと滑り、手に手を重ねてくる。



 ちゅっ…ちゅぷっ…

 年上の真依は負けじと舌を妖艶に動かすものの、じつのところキスなんて、しかもディープキスなんて初めてのくらいの経験で、

 「ん……」

 はやくも全身のちからは、抜けてしまっていた。

 「……っは…っ、」
 吐息が零れて触れあい、屡薇はゆっくりとくちびるを下へと滑り落としてゆく。






 「あの…っ、ちょっと…っ、」
 ふるえた真依は、少し上体を起こす。

 「あれ?やっぱ嫌だった?」
 屡薇はくちびるを離す。




 「そうじゃないっ…けど、いきなりこれ…っ、刺激…強すぎるっ…」
 真依は息を乱しながら、潤んだ視線を送ってくる。

 「ま、豆くんだって、寝てるし…」
 と、恥ずかしそうにチラチラとそちらを見ていると、

 「大丈夫、豆ね、熟睡してるよ?」
 「はぁぁぁぁあああ!?」

 笑った屡薇は、愛撫を続行しちゃった。



 「声を我慢すればいい話じゃん?」
 キスをしていたかと思ったら、彼は、

 「俺もこうやって話しかけるからさ…」

 不意をついて耳もとで囁いたりしてくる。




 「ん…っ、ん……」
 真依の全身は、ゾクゾクとふるえてしまい、

 「真依さん、いい匂いすんね?」

 スッ――――…

 服の上から、屡薇は手を滑らせる。


 そのうちに、トップスは捲れ上がり汗ばむ肌が覗いて、

 「ちょっ…っ、屡薇く…っ、」

 ゆびを這わされ、真依は思わず彼のほうを見ようとした。




 のだけど、

 はむっ…

 覗き込むみたいにして、くちびるはくちびるで塞がれてしまい。

 さらりと揺れた金髪が、明かりの下で煌めく。



 「ん…っん、…っん、」
 真依にとってはまさに夢のような出来事で、これだけでもういっぱいいっぱいであるのだけど、

 むにゅっ…

 ブラジャーのうえから、胸を揉まれてしまった。


 「ぁ……ふっ、ン…」
 ビクンと躰がふるえて、くちびるのあいだ甘い声が漏れる。

 むにゅむにゅと胸を揉みながら、屡薇はボトムスの上からも手を這わせてくる。
 そのまま、ホックを外しジッパーを下ろし始める。




 ビクッ…ビクンッ…

 ずっと躰をふるわせていた真依の、動く腰の辺りにはやけに硬いモノが当たっていて、

 「あ…っ、こらぁあ…っ、」

 擦れちゃうこともあり、恥ずかしすぎて思わず彼女は離そうと試みた。



 ところが、

 …ッ…チュグッ――…

 パンツの上から、ゆびを当てられてしまった。

 「すごい濡れてるね…」

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