※※第173話:Stray(&Masturbation).1







 …ッ…クチュッ――――…

 そろそろと、パンツのうえからゆびで触れてみる。
 愛液が早くも粘膜のように秘部を包み、尚も溢れだし、熟れそうなくらいに熱くなって膨れている。


 「ん…っ、あ…っ、」
 ナナはゆびを動かしながら、きゅっと彼のシャツを掴む。

 到底及ばないけれど、彼女は描く、今自分に触れているのは自分のゆびではなく、薔のゆびであることを――――…



 「ぁ…っあ、……薔…」
 きっと、甘ったるい声を上げれば、彼はいじわるな動きで、直に触れてくれる……



 グチュッ…

 「ん…あっ、」

 パンツをずらし、直にゆびを這わせると、蜜が脚を伝った。

 「は…っ、ン、ん…っ、」
 ナナは愛おしいシャツへと顔をうずめながら、ブラウスのボタンを外してゆく。

 ヌグンッ――――…

 「あぁん…っ、」

 ゆびが入り口へと滑り、彼女はしなやかに躰を反らす。




 『指…入れてほしくなったか?』

 その反応を見て、くすっと笑った薔は耳もと甘く囁くのだ。


 「あ…っ、……おねが…っ、」
 ナナは泣きながら、懇願する。



 チュグッ…

 「あっっ…」

 ゆびは中へと滑り込む。



 グチュッ…グチュッ…

 「……っん、あ…っ、薔ぅ…っ、」

 ナナは必死になって、ゆびを抜き差ししていた。
 乱れた彼のシャツを、しがみつくみたいに掴む。


 ギッ…ギッ…

 「ん…っ、ん、あ…んっ、」

 脚を動かし、腰をくねらせれば、ソファが卑猥に軋む。


 『やらしい動きしてんな?おまえの腰…』

 囁きながら薔は、いやらしく耳にキスも落としてくれて……





 キュッ…

 「あ…っ、あ…あぁっ、」

 露になった胸も、愛撫してくれる。

 まぁ、ナナが片手で挑んだ場合には、ブラジャーのホックを外すのにかなり手こずりましたが。



 ヌプッ…グチュッ…

 「は…あっ、しょ…っ、…薔…っ、」

 愛液はかき出される。
 彼のゆびはいつも、この熱を、感じてくれているんだ……


 クニッ…クニッ…

 「あ…っん、……っん、」

 擦る乳首は硬くなり、ゆびで弾けばふるえるほど。


 ビクッ…ビクッ…

 「ん…っ、ん、ダ…メっ、」

 妖艶に躰を跳ねさせ、ナナはいやらしい気持ちを止められなくて、

 『ダメじゃねぇだろ?イけよ、ほら…』

 薔はさらに、ゆびの動きを速める。




 「ああ…っ、あんっ、あ…っ、あっあ、」

 つまさきをソファに立て、激しくゆびを動かしていたナナは、

 「あんんっっ!」

 ビクンッ――――…!

 達していた。

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